FP1級の試験制度に関するQ&A(18)
次のいずれかに該当する者に、FP1級の受験資格が与えられます。
- FP2級試験の合格者で1年以上の実務経験を有する者
- FP業務に関し5年以上の実務経験を有する者
- 厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の実務経験を有する者
①の「FP2級試験の合格者で、FP業務に関し1年以上の実務経験を有する者」は、最も一般的なルートです。FP2級の学科・実技試験の両方に合格し、銀行・証券会社・保険会社・会計事務所などFP業務に関連する仕事に1年以上携わっている(または携わっていた)人にFP1級の受験資格が与えられます。FP2級と異なるのは、FP2級は「FP3級の合格」のみで受験資格が得られるのに対し、FP1級は「FP2級の合格+1年以上の実務経験」が必要になります。
②の「FP業務に関し5年以上の実務経験を有する者」とは、銀行・証券会社・保険会社・会計事務所などFP業務に関連する実務に5年以上携わっている(または携わっていた)人を指します。この要件を満たせば、FP3級・FP2級を経ずに、いきなりFP1級の学科試験を受験することができます。
③の「厚生労働省認定金融渉外技能審査2級の合格者で、1年以上の実務経験を有する者」とは、現在のFP技能検定がスタートする前の2001年まで実施されていた「金融渉外技能審査」の合格者を対象とした救済措置です。この審査は2001年に終了しているため現在は新たに受験することはできませんが、当時の2級に合格しており、かつFP業務に関し1年以上の実務経験がある人にはFP1級の受験資格が与えられます。
実技試験をどちらの機関(FP協会・金財)で受けるかによって異なりますが、学科試験・実技試験を合わせて28,900円or36,900円がかかります。
- 学科試験(※金財のみ実施):8,900円
- 実技試験(金財:面接形式):28,000円
- 金財合計:学科8,900円+実技28,000円=36,900円
- 実技試験(FP協会:筆記形式):20,000円
- FP協会合計:学科8,900円+実技20,000円=28,900円
金財の実技試験を受験する場合の総額は36,900円、FP協会の実技試験を受験する場合の総額は28,900円になります。FP1級は特に実技試験の受験手数料が高額に設定されているのが特徴です。
FP1級は、FP3級・FP2級のようなCBT方式ではなく、決められた日程で実施される筆記試験・面接(口述)試験の形式が採られています。そのため、受験するさいは年度ごとに定められた試験日の中から選ぶことになります。
学科試験は、金財により1年度に3回(5月・9月・1月)実施されます(※FP協会では実施されません)。
また、実技試験は、FP協会で1年度に1回(9月のみ、記述式の「資産設計提案業務」)、金財で1年度に3回(6月・10月・2月、面接形式の「資産相談業務」)実施されます。受験資格を満たしていれば、FP協会・金財のどちらを受験しても構いません。
ちなみに、2018年度までは金財の学科試験・実技試験とも1年度に2回(学科:9月・1月、実技:6月・2月)の実施でしたが、2019年度からどちらも1回分ずつ増え、合格のチャンスが広がりました。
なお、試験の日程は年度によって変更される可能性があるため、最新の日程は金財・FP協会の公式サイトで確認することをおすすめします。
FP1級の受験者数(受験申込者数・受験申請者数)は年度によって多少前後しますが、おおよそ以下のとおりです。
- FP協会:実施なし
- 金財:約15,000人~20,000人
- FP協会:約1,500人
- 金財:約2,000人
FP1級の平均合格率も年度によって多少前後しますが、おおよそ以下のとおりです。
- FP協会:実施なし
- 金財:約10%
- FP協会:約90%
- 金財:約85%
学科試験の合格率は約10%と、FP資格の中で最も難度が高い試験となっています。一方で、実技試験の合格率に関しては、FP協会が約90%、金財が約85%と非常に高い数字になっています。
これほど大きな差が開くのは、実技試験の難度が学科試験ほど高くないからです。FP協会の実技試験(筆記)は問題自体が易しめに作られていますし、金財の実技試験(面接・口述)も、受験者をふるい落とすための試験というよりは「最低限の受け答えできるか」を確認する意味合いが強いからです。そのため、しっかり対策をしておけば十分に合格を狙える試験と言えるでしょう。
現行の試験制度において、FP1級の学科試験を受験するためには「FP2級試験の合格者で1年以上の実務経験を有する者」または「FP業務に関し5年以上の実務経験を有する者」という要件を満たす必要があります。
この「実務経験」に関しては、かなり幅広く認められています。銀行、証券会社、保険代理店といった金融機関の職員や会計事務所の職員はもちろんのこと、一般企業の経理・財務・福利厚生担当者、不動産会社の職員、さらには金融機関向けシステムの開発担当者なども実務経験としてカウントされます。
また、直接的なプランニング業務だけでなく、補助業務も対象になります。さらに、転職などで複数の会社に所属していた場合も、期間の合算(通算)が可能です。ただし、あくまで業務(仕事)としての経験が問われるため、個人の趣味で行っている株式投資や資産運用などは含まれません。
なお、実務経験は第三者による証明等が不要な自己申告制ですが、虚偽の申告を行うと合格取消しなどのペナルティがあります。自身の職歴がカウントできるか判断に迷う場合は、FP協会または金財に直接お問い合わせください。
現行の試験制度において、FP1級の学科試験を受験するためには「FP2級試験の合格者で1年以上の実務経験を有する者」または「FP業務に関し5年以上の実務経験を有する者」という要件を満たす必要があります。
つまり、最低でも1年以上の実務経験が必要になるため、実務経験がない状態でFP1級の学科試験を受験することはできません。
ただし、実務経験ゼロからでもFP1級を取得できる迂回ルートが存在します。それは、民間資格であるAFP・CFPを経由し、FP1級の学科試験を免除にして実技試験に直接挑む方法です。具体的には「FP3級合格→FP2級合格→AFP認定→CFP合格→(FP1級学科免除)→FP1級実技」というルートになります。
CFP試験の受験にあたっては実務経験の有無が問われないため、このルートであれば実務経験がなくてもFP1級の取得が可能です。FP3級→FP2級→FP1級とストレートに進むルートに比べると道のりはやや長くなりますが、着実にステップアップできるため、比較的時間に余裕のある学生の方や異業種からFPの最高峰を目指す方に多く選ばれています。
FP1級の問題・解答のベースとなる法令基準日は、受験する「実施月」および「試験機関(学科・実技)」によって異なります。
- 5月試験:前年の10月1日
- 9月試験:その年の4月1日
- 1月試験:前年の10月1日
- FP協会(9月):その年の4月1日
- 金財(6月・10月・2月):原則として試験日当日
学習を進めるうえで注意が必要なのは、金財の実技試験です。学科試験やFP協会の実技試験が「4月1日」や「10月1日」といった過去の特定日を基準としているのに対し、金財の実技試験は「試験日当日」に施行されている法令が基準になります。そのため、直近の法改正にも対応できるよう準備しておく必要があります。
できます。学科試験の基礎編・応用編ともに、試験終了後に問題用紙を持ち帰ることが認められています。回収されるのは解答用紙のみです。
ただし、問題用紙を持ち帰ることができても、自分がどう解答したかを控えていなければ自己採点はできません。模範解答は試験日の翌営業日に公表されるため、すぐに答え合わせをしたい方は、答案を提出する前に自分の解答を問題用紙の余白に書き写しておきましょう。
なお、注意したいのが「応用編」です。記述式のため、試験後に記憶だけで解答を再現するのはほぼ不可能です。また、「基礎編」のマークシートについても、選んだ番号を控えていなければ採点のしようがありません。
解答の転記には意外と時間がかかります。見直しの時間とは別に、解答を書き写す時間を数分見込んで時間配分を考えておくと安心です。
学科試験・実技試験とも、得点率60%が合格ラインです。
- 学科試験(金財):200点満点中120点以上
- 実技試験(金財):200点満点中120点以上
- 実技試験(FP協会):100点満点中60点以上
【学科試験の解答のコツ】
FP1級の学科試験は、午前に行われる基礎編(配点:100点)と、午後に行われる応用編(配点:100点)の2つで構成されています。
基礎編の出題形式は四肢択一のマークシート形式です。全6分野から均等に出題されますが、各問題の難度にはバラツキがあります。そのため、難問に惑わされず、簡単な問題や自分が得意な論点の問題を優先して解き、取れるところを確実に取ることが重要です。また、どうしても最終的な答えが出せない問題は深入りせずに、いったん飛ばす勇気を持ちましょう。問1から順番に解くことに固執すると、ドツボにはまってしまうことがあります。
一方、応用編の出題形式は計算過程や穴埋めなどの記述式です。リスクマネジメントを除く5分野から出題されますが、こちらも基礎編と同様に各問題の難度にバラツキがあるため、簡単な問題や得意な論点から優先して解いていきましょう。
また、試験の公式な注意書きには、応用編は模範解答だけでなく総合的な観点を考慮して採点を行う旨が明記されているため、途中で計算が合わなくなっても部分点が与えられる可能性が十分にあります。最後の1分1秒まで絶対に諦めず、分かる限りの公式や計算プロセスで解答欄を埋めることが重要です。
できません。申込システムの仕様と試験日程の都合上、同時受験は不可能です。実技試験の実施機関(金財・FP協会)ごとの具体的な理由は以下のとおりです。
システム面および日程面の両方から不可能です。
- システム上の制限:実技試験の申込時点で「学科試験の合格番号」などの受験資格を入力する必要があります。そのため、これから学科試験を受ける方が同時に実技試験へ申し込むことはできません。
- 日程のずれ:学科試験(9月・1月・5月)と金財の実技試験(10月・2月・6月)は、そもそも実施される時期がずれています。そのため、学科試験と実技試験を同時に受験すること自体ができません。
システム上の制限に加え、試験日時の重複により不可能です。
- システム上の制限:金財と同様に、実技試験の申込時点で「学科試験の合格番号」などの受験資格が必須となるため、同時に申し込むことはできません。
- 日程の重複:金財の学科試験とFP協会の実技試験は、毎年9月の同じ日、かつ同じ午後の時間帯に実施されます。そのため、仮に学科と実技の両方の受験資格を満たしている方であっても、試験時間が完全に重なるため、物理的に両方の会場へ足を運ぶことは不可能です。
このように、どちらの組み合わせであっても同日に学科試験と実技試験をまとめて受験することはできません。
実施機関(FP協会・金財)によって試験形式や問われる内容が大きく異なります。それぞれの具体的な特徴は以下のとおりです。
日本FP協会の実技試験は、事例に基づいた記述・論述形式の筆記試験で行われます。
- 問われる内容:提示された複数の資料や設例を読み解き、計算過程を記述する問題や、300字程度で解決策を説明する実践的な論述問題が出題されます。
- 特徴:「記述式」と聞くと難しく感じますが、奇をてらった問題は少なく、基本に忠実な出題が中心です。問題自体は比較的易しめに作られており、過去問でしっかり対策をすれば十分に合格ラインを狙えます。
金財の実技試験は、試験官と対面で行う面接形式(口述試験)です。
- 問われる内容:午前と午後に1回ずつ(合計2回)、それぞれ異なる設例(ケーススタディ)が与えられます。15分程度の読み込み時間の後、顧客からの相談に乗るという設定で、試験官からの質問に対して解決策や提案内容を口頭で答えます。
- 特徴:単なる知識の暗記だけでなく、「実務家として最低限の適切な受け答えができるか」が確認されます。受験者を厳しくふるい落とすための試験ではないため、プロとしてのマナーを守り、落ち着いて誠実なコミュニケーションをとることが重要です。
国家資格であるFP1級(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)は、一度合格すれば有効期限はなく、生涯にわたって履歴書などに記載できます。定期的な継続教育講習を受けたり、数年ごとに更新手続きや更新費用を支払ったりする必要は一切ありません。
なお、FPの資格には国家資格である「FP技能士(1級〜3級)」と、日本FP協会が認定する民間資格である「AFP・CFP」の2系統があります。民間資格のAFP・CFPは、2年ごとに所定の研修を受けて単位を取得し、更新手続きを行わなければ資格が失効する仕組みになっています。
FP3級が「学ぶ意欲の証明」、FP2級が「実務の最低限のパスポート」であるのに対し、FP1級は就職・転職市場において「他者と差をつける強力な武器」になります。
金融業界や不動産業界ではFP2級の合格者が多い(=FP2級は持っていて当たり前とされる)ため、FP資格の最難関であり保有者が一握りであるFP1級に合格することで、トップレベルの専門知識を備えた即戦力として高く評価されます。特に、独立系FP事務所やコンサルティング会社、金融機関における富裕層向けの資産設計部門など、より高度で専門的なポジションへの就職・転職において大きなアドバンテージになります。
なお、同じビジネス系資格である宅地建物取引士(不動産)や日商簿記2級・1級(財務・経理)などの資格と組み合わせると、ビジネスに必要な専門的知識をより深く理解していることをアピールすることができます。
FP1級に合格した後、さらに自分の市場価値やキャリアの可能性を広げたい方は、ぜひこうした周辺資格への挑戦も検討してください。
名刺に記載する場合は、国家資格の称号として「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」と書くのが一般的です。なお、実技試験の科目まで細かく伝えたい場合は「1級ファイナンシャル・プランニング技能士(資産設計提案業務)」のように、科目名を後ろに併記することも認められています。
これに対して、履歴書(免許・資格欄)に記載する場合は、取得した称号ではなく合格した試験の名称として「〇〇年〇月 1級ファイナンシャル・プランニング技能検定 合格」と記載するのが一般的です。「FP1級 合格」や「1級FP技能士 取得」といった略称や混ざった表現は、ビジネスや就職活動の書類としては不適切とみなされる場合があるため注意しましょう。
海外の名刺や英文履歴書に記載するさいは、合格後に名乗ることができる資格(称号)名として記載するのが一般的です。「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」の英語表記は、「1st grade Certified Skilled Professional of Financial Planning」になります。
「技能士」に該当する英単語は「Skilled Worker(労働者)」ではなく、「Skilled Professional(専門職)」と定義されているため、名刺の英語面や英文の履歴書に記載するさいは、上記のつづりを使用するのが正確です。
| 3級ファイナンシャル・プランニング技能士 |
|---|
| 3rd grade Certified Skilled Professional of Financial Planning |
| 2級ファイナンシャル・プランニング技能士 |
| 2nd grade Certified Skilled Professional of Financial Planning |
| 1級ファイナンシャル・プランニング技能士 |
| 1st grade Certified Skilled Professional of Financial Planning |
FP1級を含め、すべてのFP資格に業務独占はありません。
公認会計士や税理士、宅地建物取引士のように「資格を持っていないとできない業務」は存在しないため、無資格であってもファイナンシャル・プランナーとして活動すること自体は可能です。
ただし、FP技能検定(3級・2級・1級)の合格者には、「〇級ファイナンシャル・プランニング技能士」という国家資格の名称を名乗ることができるという名称独占が認められています。そのため、ファイナンシャル・プランニング技能士でない方がファイナンシャル・プランニング技能士と自称すると、法律により罰せられます。
このようにFPには業務独占こそありませんが、「1級ファイナンシャル・プランニング技能士」の肩書きは、高度な専門知識を持っていることを国が証明する形になるため、顧客やビジネスパートナーから信頼を得るための強力な武器になります。
FP協会・金財ともに、有料で合格証書の再交付(再発行)をしてもらうことが可能です。
再交付手数料はいずれの団体も一律2,000円(非課税・振込手数料は自己負担)です。手続きを行うさいは、それぞれの団体の公式サイトから「合格証書再交付申請書」をダウンロードして必要事項を記入し、手数料を振り込んださいの控えなどの必要書類を添えて郵送で申し込む形になります。
なお、上記のとおり賞状タイプの「合格証書」の再交付には郵送の手間や日数がかかりますが、就職・転職や社内提出などで「合格した事実を証明する書類」が急ぎで必要な場合は、「合格証書」ではなく「合格証明書」をWEB上で交付してもらうことも可能です。この合格証明書は、FP協会・金財ともにCBT受験申請システムのマイページ等から手数料無料でダウンロードすることができます。
年会費の支払いや登録手続きは不要です。一度合格すれば、登録手続きや更新費用などをかけることなく、一生涯「FP1級(1級ファイナンシャル・プランニング技能士)」を保持・名乗ることができます。
なお、同じFP関連の資格でもFP協会が認定する「AFP」や「CFP」とは資格の性質や維持コストが異なります。具体的な違いは以下のとおりです。
- 年会費:無料(永久に0円)
- 登録手続き:不要(合格した時点で自動的に「1級FP技能士」を名乗れます)
- 資格の更新:なし(有効期限がないため、継続教育や単位取得の義務はありません)
- 年会費:有料(AFPは年12,000円、CFPは年20,000円が必要)
- 登録手続き:必須(合格後、入会金10,000円等を支払って会員登録をしないと資格を名乗れません)
- 資格の更新:あり(2年ごとに所定の講習やテストを受け、継続教育単位を取得する義務があります)
以上のように、AFPやCFPは資格を「維持・更新し続けるためのお金と手間」が毎年発生しますが、FP1級は合格したその日から1円の維持費もかけずにステータスを保持し続けることができるため、コストパフォーマンスの面でも非常に優れた資格と言えるでしょう。
FP1級の勉強方法に関するQ&A(7)
FP1級の受験ルートは2つあります。選択する受験ルートによって内訳は変わりますが、どちらのルートでもトータルでおおむね400時間〜600時間程度の学習時間が必要になります。それぞれの勉強時間の目安と特徴は以下のとおりです。
- 学習時間の目安:FP2級合格からさらに400時間~600時間
- 特徴:FP資格の中でも最難関と言われる「金財の1級学科試験(基礎編・応用編)」を突破するルートです。合格に必要な勉強時間は、FP関連の知識の有無や地頭の良さ、勉強期間、年齢などによって大きく異なりますが、2級合格レベルの知識からさらに数百時間の猛勉強が求められます。学科合格後の実技試験対策を含めて、トータルで400時間〜600時間ほど確保しておく必要があります。
- 学習時間の目安:FP2級合格からさらに400時間〜600時間
- 特徴:FP協会が認定するCFP試験(全6科目)に合格することでFP1級の学科試験が免除されるので、最難関の学科試験をパスして直接、FP1級の実技試験へ進むルートです。CFP合格後の「1級実技試験のみ」の対策だけであれば20時間前後の追加学習で合格ラインに乗ります。ただし、その手前にあるCFP6科目の合格に300時間〜500時間前後が必要ですし、さらにその手前のAFPの登録にあたっても提案書の作成・提出に時間がかかるため、トータルの学習時間としてはルート1とほぼ同じぐらいの時間が求められます。
どちらのルートも長期的な計画が必要になりますが、FP1級は一歩ずつ確実にステップアップしていけば必ず合格できる試験です。ご自身のライフスタイルや好みに合わせて選択してください。
なお、CFP試験は科目合格制なので、6科目を同時に受験・合格する必要はありません。忙しくてまとまった勉強時間が取れない方は、一発勝負のFP1級の学科試験よりも、コツコツ合格を目指せるCFP経由のほうがおすすめです。当サイトの管理人も、CFP経由のこのルートでFP1級に合格しました。
- FP3級(学科+実技):50時間前後
- FP2級(学科+実技):3級合格+150時間前後
- FP1級(学科+実技):2級合格+400時間~600時間
- CFP(6科目):2級合格+300時間~500時間
- FP1級(実技のみ):CFP合格+20時間前後
FP2級と同様に、現在は市販の教材が充実しているため、独学での合格は十分に可能です。ただし、合格までに400時間〜600時間もの膨大な学習時間が求められため、FP3級・FP2級とは比較にならないほどの徹底したスケジュール管理と根気が必要になります。
独学を始めるにあたっては、まず、最新版のテキストと問題集、本番でも使用する電卓の3点をお手元にご用意ください。FP1級では、各制度の細かい知識だけでなく最新の法改正がダイレクトに問われるため、税金や社会保険などの法改正に対応した最新の教材を選ぶことが合格への第一歩なります。
最近は分かりやすい市販テキストや過去問集が多数出版されているため、これらを使って地道に学習を継続できれば、独学でも合格ラインである6割以上の得点力を身につけることができます。
なお、これほど膨大な範囲を一人でスケジュール管理しながら勉強していくのが不安という方には、TACなどの資格の専門学校のWeb講座(通信講座)や、独学の手軽さと通信講座の講義サポートを良いとこどりしたTACの「独学道場」などを活用して、効率よく学習を進めることをおすすめします。
最もおすすめなのは、圧倒的なシェアを誇るTAC出版の「みんなが欲しかった!FPの教科書 1級」および「みんなが欲しかった!FPの問題集 1級」のシリーズです。
私がFP2級を受験したときに実際に使用した信頼できる定番教材の1級版です。毎年、最新の法改正に対応した新版が刊行されており、独学でも安心して勉強を進めることができます。
出題範囲が非常に広いため、分野別に「Vol.1(ライフプランニングと資金計画・リスク管理/年金・社会保険/金融資産運用)」と「Vol.2(タックスプランニング/不動産/相続・事業承継)」の2分冊で出版されています。
FP2級版と同様に全編フルカラーかつ手書き風の親しみやすいイラストや図解が豊富で、難しい専門用語や複雑な税制の仕組みが視覚的にすんなり理解できるのが特徴です。毎年変更される年金額などの最新の法改正・制度改正情報もバッチリ掲載されています。
また、科目ごとにばらして持ち歩ける「セパレートBOOK形式」になっているため、外出先やスキマ時間での学習にも非常に適しています。
本試験で頻出の良問を厳選して収載した実践的な問題集です。上記のテキスト2冊(Vol.1・Vol.2)と連動しているため、合わせて使うことで効率よく知識を定着させることができます。
「基礎編」は見開きで問題と解答・解説が完結する構成になっているため、学習効率が大幅にアップして非常に使いやすいです。
また、各章の終わりには「応用編」の記述式に対応した対策問題がまとまっているほか、巻末には本試験問題(1回分)や実技試験対策(※金財・FP協会の両方に対応)も収載されており、これ1冊で本番に向けた総合的な対策が可能です。
必須ではありませんが、最新の出題傾向や法改正を反映した「直前期の総仕上げ」として非常に有効なため、学習時間に余裕があれば1冊購入して解くことをおすすめします。
FP1級では最新の法改正論点やその年のトレンドとなる重要テーマも出題されます。予想問題集を活用することで、過去問対策ではカバーできない重要論点を効率よく網羅できる点が大きなメリットです。
また、予想問題集には各分野の要点をまとめた「直前チェック用のミニ冊子」や、法改正に対応した出題予想などの付録が充実しているケースも多く、試験当日のファイナルチェック用教材としても重宝します。
なお、予想問題集を使って学習を進めるさいには、以下の3つのポイントを意識するとより効果的です。これらを徹底することで、合格をより確実なものにできます。
- 必ず時間を計って解き、本番に向けた時間配分と集中力の感覚を養うこと。
FP1級の学科試験は、基礎編(マークシート50問)・応用編(記述式)ともに極めて時間がシビアです。本番と同じ試験時間(各150分)を計って解くことで、1問あたりにかけられる時間配分のペースや、長丁場の試験で集中力を維持する感覚を掴むことができます。 - 間違えた問題や偶然当たっただけの選択肢をそのままにせず、必ずテキストに戻って周辺知識まで復習すること。
単に正解・不正解で終わらせず、なぜその選択肢を間違えたのか、関連する法制度や計算ルール等をテキストに戻って丁寧に確認し、さらに周辺知識まで深掘りして復習することが重要です。 - 最低でも2回以上は繰り返し解き直し、知識を完全に定着させること。
1回解いて終わりにせず、間違えた問題を確実に自力で解き切れるようになるまで繰り返し解き直すことで、合格ラインである6割以上の得点力を身につけることができます。
FP1級の学科試験・実技試験では、資産運用や各種税金の計算、年金・保険金の算出といった計算問題が必ず出題されるため、電卓は必要です。1,000円前後の手頃なものでも大きな問題はありませんが、押し間違いによるタイムロスや誤入力を防ぐためにも、以下の条件を満たした電卓を選ぶのがおすすめです。
- おすすめの電卓の選び方:①液晶画面に数字が12桁表示できるもの、②キーを素早く叩いても反応する早打ち機能(ロールオーバー)があるもの、③そして机の上で滑らないように裏面に滑り止めゴムがついている卓上サイズのものを選ぶと、ストレスなく素早く計算できます。
- おすすめ機種:将来的に上位級であるFP2級やFP1級、あるいは簿記検定などの合格まで見据えている方には、SHARPの学校用電卓「SHARP EL-G37」をおすすめします。この機種は、上記の①②③の条件を全て満たしているだけでなく、キーの打鍵感・静粛性、液晶の視認性も優れているため、老若男女、すべての受験生におすすめできる一台です。
なお、FPの試験では関数電卓や金融電卓、印刷機能付きの電卓、音が出る電卓などは持ち込みが禁止されています。購入のさいは、持ち込み可能な電卓であるかを必ず確認するようにしてください。
FP1級のおすすめの勉強法は、テキストと問題集を連動させてインプットとアウトプットを繰り返し、最後に予想問題集で仕上げるという王道の3ステップです。FP1級は、合格までに400時間〜600時間もの膨大な学習時間が求められる難関試験ですが、基本的な学習の流れはFP2級までとほとんど同じです。
具体的には、以下のステップで学習を進めるのが効果的です。
- 全体像の把握と「テキスト×問題集」のサイクル:まずテキストをひと通り読んで、広大な試験範囲の全体像を大まかに把握します。その次のステップとして、テキストと問題集を使って、単元ごとに「テキストをじっくり読む→対応する問題を解く→間違えた箇所を復習する」というサイクルを繰り返して教材を1周します。
- 問題集の反復と周辺知識の確認:もし学習時間に余裕があれば、問題集だけをもう1周(できればそれ以上)繰り返すことで、知識がより強固に定着します。間違えた問題や勘で当たった問題はチェックしておいて、その部分だけテキストに戻って周辺知識を確認しましょう。FP1級の細かい知識を定着させるためには、この反復プロセスが非常に重要です。
- 予想問題集を使った総仕上げ:そして最後のステップとして、市販の予想問題集を使って、本番の出題傾向や厳しい制限時間(基礎編・応用編ともに各150分)に対する時間配分の感覚に慣れる総仕上げを行えばバッチリです。
【合格体験記もご活用ください】
FP試験ナビでは、合格者の方々にご投稿いただいた合格体験記を公開しています。合格体験記には勉強法のヒントがたくさん詰まっているので、ぜひこちらもあわせてご確認ください。
いきなりFP1級の勉強を始めるのではなく、まずは最新版のFP2級のテキストで基礎を軽く復習してからFP1級の勉強に入ることをおすすめします。一見遠回りに見えますが、結果的にはこれが最も効率的な勉強法になります。その理由は以下のとおりです。
- FP1級はFP2級の知識が完璧に頭に入っている前提で作られている。
FP1級のテキストや問題集は、FP2級レベルの基礎知識があることを前提にして作られているため、基礎知識に抜け漏れがある状態だとテキストや問題集の解説自体が理解できず、結果として挫折の原因になってしまいます。
まずは、現在市販されている最新版のテキストを1冊購入し、パラパラと1〜2周読んでみましょう。その後、章末の練習問題等を解きながら過去の記憶を呼び覚ますとともに、最新の法改正点等をチェックします。このような作業を行うことにより、FP1級の学習にスムーズにステップアップすることができます。 - 税制や社会保険などの法改正に合わせて、知識をアップデートする必要がある。
FPの試験は法改正の影響をダイレクトに受けるため、数年前の古い知識が効率的な学習の邪魔になることがあります。基本的な税制や社会保険に関する解説は、FP1級のテキストよりもFP2級のテキストのほうが分かりやすく書かれていることが多いため、最新版のFP2級テキストを使って差分をアップデートするのが最も効率的です。
「急がば回れ」の精神で、まずはFP2級のテキストでウォーミングアップをしてから、万全の体制で最難関のFP1級に挑みましょう。