FP2級の学科試験・実技試験の「受験者数」や「合格率」などの受験データをまとめました。データ集計期間は、2007年5月試験から2022年9月試験までの46回分です。
FP2級全体の受験者数データ
FP2級の全体の受験者数は2012年度にピークアウトして以来、増えたり減ったりを繰り返しており、全体的には「横ばい」の傾向にあります。
ただ、2021年度にかぎっては「コロナウイルス感染症の影響でお家時間が増えたこと」「2020年度に受験できなかった方々が2021年度に流れたこと」などの影響により、大幅に増加しました。
学科試験の年度別受験者数
ここ数年、FP協会の受験者数が右肩上がりで増えていたのに対して、金財の受験者数は右肩下がりで減少していました。
しかし、新型コロナウイルスの影響が大きかった2020年度にかぎっては、FP協会が大きく数字を落としたのに対し、金財はFP協会の減少分をきれいに回収する形で大きく数字を伸ばしました。理由はよくわかっていません。
実技試験の年度別受験者数
- FP協会:資産設計提案業務(年3回)
- 金財1:個人資産相談業務(年3回)
- 金財2:生保顧客資産相談業務(年3回)
- 金財3:中小事業主資産相談業務(年2回)
- 金財4:損保顧客資産相談業務(年1回)
FP協会の実技試験は「資産設計提案業務」の1種類だけです。
2020年度は新型コロナウイルスの影響で5月試験が中止になってしまったため、その分だけ受験者数が減ってしまいましたが、基本的には今後も緩やかに増加していくものと予想されます。
一方、金財の実技試験は年3回(5月・9月・1月)実施される「個人資産相談業務」「生保顧客資産相談業務」、年2回(9月・1月)実施される「中小事業主資産相談業務」、年1回(9月)だけ実施される「損保顧客資産相談業務」の4種類があります。
受験生は、この4つの中から好きな科目を選んで受験できますが、全体の90%以上の方は年に3回実施される「個人資産相談業務」「生保顧客資産相談業務」のどちらかを受験しています。
2020年度は新型コロナウイルスの影響で5月試験が中止になってしまったこともあり、「個人資産相談業務」は受験者数がかなり減りましたが、「生保顧客資産相談業務」は逆に受験者数がかなり増えました。
FP2級全体の合格率データ
学科試験の合格率
FP協会と金財のどちらで受験しても全く同じ問題が出題されますが、両者の合格率には結構な差があります。
- FP協会は将来を見越して自発的に受験する個人の申し込みが多い。学習意欲の高い受験生が多い(=母集団のレベルが高い)ため、学科試験の合格率は相対的に高くなる。
- 金財は団体の申し込みが多く、会社や学校の都合などで半強制的に受験させられる方が少なくない。学習意欲が低い受験生・準備不足の受験生が相当数混じっているため、学科試験の合格率は相対的に低くなる。
直近10回分のデータを集計しますと…FP協会の平均合格率が45.77%なのに対して、金財の平均合格率は24.39%と約21ポイントの差があります。
試験日 | FP協会 (%) |
金財 (%) |
両者の差 (%) |
---|---|---|---|
2022年9月 | 42.16 | 15.76 | 26.40 |
2022年5月 | 49.20 | 22.11 | 27.09 |
2022年1月 | 41.51 | 19.51 | 22.00 |
2021年9月 | 50.56 | 25.46 | 25.10 |
2021年5月 | 55.61 | 33.83 | 21.78 |
2021年1月 | 44.02 | 23.43 | 20.59 |
2020年9月 | 49.19 | 33.11 | 16.08 |
2020年1月 | 41.86 | 28.81 | 13.05 |
2019年9月 | 43.42 | 20.97 | 22.45 |
2019年5月 | 40.17 | 20.88 | 19.29 |
平均 | 45.77 | 24.39 | 21.38 |
実技試験の合格率
- FP協会:資産設計提案業務
- 金財1:個人資産相談業務
- 金財2:保険顧客資産相談業務
- 金財3:中小事業主資産相談業務(※グラフは省略)
- 金財4:損保顧客資産相談業務(※グラフは省略)
実技試験の出題内容は科目によって異なりますが、学科試験と同様に「FP協会>金財」という合格率になっています。
金財の各科目と比べると、FP協会の資産設計提案業務のほうが素直で解きやすい問題が多く、また、過去に出題された内容が何度も繰り返し出題される傾向があるため、母集団のレベルの差も相まって相対的に高い合格率になっていると考えられます。
直近10回分のデータを集計しますと…FP協会の平均合格率が61.82%なのに対して、金財1・2の平均合格率は41.22%と約21ポイントの差があります。
試験日 | FP協会 (%) |
金財 (%) |
両者の差 (%) |
---|---|---|---|
2022年9月 | 56.55 | 37.05 | 19.50 |
2022年5月 | 62.11 | 32.89 | 29.22 |
2022年1月 | 56.33 | 45.32 | 11.01 |
2021年9月 | 60.26 | 38.21 | 22.05 |
2021年5月 | 66.67 | 45.01 | 21.66 |
2021年1月 | 71.01 | 45.49 | 25.52 |
2020年9月 | 57.37 | 47.23 | 10.14 |
2020年1月 | 62.61 | 39.51 | 23.10 |
2019年9月 | 62.63 | 41.27 | 21.36 |
2019年5月 | 62.65 | 40.26 | 22.39 |
平均 | 61.82 | 41.22 | 20.60 |
FP協会と金財のどちらを受験すべき?
FP2級はFP協会・金財のどちらで合格しても「2級FP技能検定 合格」です。合格の価値に差はありません。
ただ、上述のとおりFP協会の実技試験のほうが解きやすい&易しい問題が出題される可能性が高いため、特にこだわりがなければFP協会で受験することをおすすめします。