四択問題
分野:金融
わが国における個人による金融商品取引にかかるセーフティネットに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 国内証券会社が保護預かりしている一般顧客の外国株式は、原則として、日本投資者保護基金による補償の対象となる。
- ゆうちょ銀行に預け入れた通常貯金は、預入限度額である元本1,300万円までとその利息が預金保険制度による保護の対象となる。
- 国内で事業を行う生命保険会社が破綻した場合、生命保険契約者保護機構による補償の対象となる保険契約については、高予定利率契約を除き、責任準備金等の90%まで補償される。
- 農業協同組合(JA)に預け入れた決済用貯金は、その金額の多寡にかかわらず、全額が農水産業協同組合貯金保険制度による保護の対象となる。
解答
2
解説
1.は適切。日本投資者保護基金は、投資者(顧客)を保護することを目的に設立された法人です。証券会社が営業活動を行うさいには、必ずこの投資者保護基金に加入する必要があります。
証券会社が取り扱う国内株式や公社債、投資信託だけでなく外国株式や外貨建てMMFなども補償の対象になります。
ただし、外国為替証拠金取引(FX取引)やデリバティブ取引などは補償の対象になりません。また、証券会社以外の金融機関は日本投資者保護基金の会員ではないため、銀行で購入・管理されている投資信託は日本投資者保護基金の補償の対象になりません。
2.は不適切。預金保険機構は、金融機関が破綻したさいに預金者を保護することを目的に設立された法人です。
ゆうちょ銀行も預金保険機構が運営する預金保険制度に加入しているため、ゆうちょ銀行に預け入れた通常貯金も保護の対象になります。
ただし、保護される金額は預金限度額の1,300万円ではなく元本1,000万円までとその利息に限定されています。
3.は適切。生命保険契約者保護機構は、生命保険会社が破綻したさいに契約者を保護することを目的に設立された法人です。生命保険会社が営業活動を行うさいには、必ずこの生命保険契約者保護機構に加入する必要があります。
生命保険会社が破綻した場合、破綻時点の責任準備金等(=将来の支払いのために生命保険会社が留保しておくべきお金)の90%までが補償されます。
参考・生命保険会社が破綻した場合の補償内容(生命保険契約者保護機構)
4.は適切。農業協同組合(JA)に預け入れた一般貯金等は、貯金保険制度(農水産業協同組合貯金保険制度)による保護の対象であり、貯金者1人あたり1組合ごとに元本1,000万円までとその利息等が保護されます。
なお、当座貯金や利息の付かない普通貯金等の決済用貯金は、預金保険制度と同様にその全額が保護の対象になります。