四択問題
分野:リスク
契約者(=保険料負担者)を法人、被保険者を役員とする生命保険契約の経理処理に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、いずれも保険料は毎月平準払いで支払われているものとする。
- 入院給付金の受取人が法人である医療保険(10年更新)の入院給付金は、その全額を雑収入に計上する。
- 死亡保険金受取人が法人である終身保険を解約して受け取った解約返戻金は、その全額を雑収入に計上する。
- 死亡保険金受取人および満期保険金受取人がいずれも法人である養老保険の保険料は、全額を損金に算入する。
- 死亡保険金受取人が法人である長期平準定期保険について、保険期間の前半6割相当期間においては、保険料の全額を資産に計上する。
解答
1
解説
1.は適切。貯蓄性のない医療保険は、保険料支払時に経費処理(=損金に算入)しているので、入院給付金を受け取ったときはその全額を雑収入として収益計上(=益金に算入)します。
保険料支払時の仕訳
(借)定期保険料 ***
(貸)現金預金など ***
(貸)現金預金など ***
給付金受取時の仕訳
(借)現金預金など ***
(貸)雑収入 ***
(貸)雑収入 ***
2.は不適切。法人が終身保険の解約返戻金を受け取ったさいには、解約返戻金とそれまでに資産計上していた保険料積立金との差額を雑収入または雑損失として計上します。
保険料支払時の仕訳
(借)保険料積立金 ***
(貸)現金預金など ***
(貸)現金預金など ***
保険金受取時の仕訳(解約返戻金>保険料積立金の場合)
(借)現金預金など ***
(貸)保険料積立金 ***
(貸)雑収入 ***
(貸)保険料積立金 ***
(貸)雑収入 ***
保険金受取時の仕訳(解約返戻金<保険料積立金の場合)
(借)現金預金など ***
(借)雑損失 ***
(貸)保険料積立金 ***
(借)雑損失 ***
(貸)保険料積立金 ***
3.は不適切。死亡保険金受取人および満期保険金受取人がいずれも法人である養老保険の保険料は、全額を保険料積立金として資産計上します。損金には算入できません。
保険料支払時の仕訳
(借)保険料積立金 ***
(貸)現金預金など ***
(貸)現金預金など ***
4.は不適切。保険期間の前半6割相当期間は、保険料の半分を資産(前払保険料)に計上し、もう半分を損金(定期保険料)に算入します。
前半6割相当期間の仕訳
(借)前払保険料 ***
(借)定期保険料 ***
(貸)現金預金など ***
(借)定期保険料 ***
(貸)現金預金など ***
保険期間の後半4割相当期間は、保険料の全額を損金(定期保険料)に算入するとともに、前半の6割相当期間において資産計上した前払保険料の金額を、残りの期間で按分して損金(定期保険料)に算入します。
後半4割相当期間の仕訳
(借)定期保険料 ***
(貸)現金預金など ***
(借)定期保険料 ***
(貸)前払保険料 ***
(貸)現金預金など ***
(借)定期保険料 ***
(貸)前払保険料 ***
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