2019年9月試験

FP2級 学科試験 2019年9月 問6(過去問解説)

四択問題

分野:ライフ

遺族厚生年金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 遺族厚生年金を受給することができる遺族の範囲は、厚生年金保険の被保険者または被保険者であった者の死亡の当時、その者によって生計を維持し、かつ、所定の要件を満たす配偶者、子、父母、孫または祖父母である。
  2. 厚生年金保険の被保険者が死亡したことにより支給される遺族厚生年金の年金額は、死亡した者の厚生年金保険の被保険者期間が300月未満の場合、300月とみなして計算する。
  3. 厚生年金保険の被保険者である夫が死亡し、夫の死亡当時に子のいない40歳以上65歳未満の妻が遺族厚生年金の受給権を取得した場合、妻が65歳に達するまでの間、妻に支給される遺族厚生年金に中高齢寡婦加算額が加算される。
  4. 厚生年金保険の被保険者である夫が死亡し、夫の死亡当時に子のいない28歳の妻が取得した遺族厚生年金の受給権は、妻が35歳に達したときに消滅する。



解答

4

解説

1.は適切。なお、遺族基礎年金の対象者は「子のある配偶者」または「子」のみです。

2.は適切。遺族厚生年金の年金額は「老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3相当額」ですが、この報酬比例部分を計算するさいに、被保険者の加入月数が300月未満の場合は300月とみなして計算します。

3.は適切。中高齢寡婦加算は40歳以上65歳未満の子のない妻、子があっても40歳以上65歳未満で遺族基礎年金を受給できない妻が対象になります。

支給額は585,100円(2019年度)の定額で、妻が65歳になるまで支給されます(その後は「経過的寡婦加算」に移行)。

4.は不適切。子のない30歳未満の妻が遺族厚生年金の受給権を取得した場合、最長5年の有期年金になります。

よって、厚生年金保険の被保険者である夫が死亡し、夫の死亡当時に子のいない28歳の妻が取得した遺族厚生年金の受給権は、5年経過後の33歳のときに消滅します。

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