四択問題
分野:ライフ
公的年金制度の障害給付に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 障害厚生年金の額を計算する際に、その計算の基礎となる被保険者期間の月数が300月に満たない場合、300月として計算する。
- 国民年金の被保険者ではない20歳未満の期間に初診日および障害認定日があり、20歳に達した日において障害等級1級または2級に該当する程度の障害の状態にある者に対しては、その者の前年の所得の額にかかわらず、障害基礎年金が支給される。
- 障害基礎年金の受給権者が、所定の要件を満たす配偶者を有する場合、その受給権者に支給される障害基礎年金には、配偶者に係る加算額が加算される。
- 障害手当金の支給を受けようとする者が、同一の傷病により労働者災害補償保険の障害補償給付の支給を受ける場合、障害手当金と障害補償給付の支給を同時に受けることができる。
解答
1
解説
1.は適切。被保険者期間が300月(25年)未満の場合は、300月とみなして障害厚生年金の額を計算します。
2.は不適切。国民年金の被保険者ではない20歳未満の期間に初診日および障害認定日がある場合、20歳に達した日において障害等級1級または2級に該当する程度の障害の状態にある者に対して障害基礎年金が支給されますが、前年の所得が一定の額を超える場合は、2分の1または全額の支給が停止されます。
国民年金の被保険者ではない20歳未満の期間に初診日および障害認定日があるということは、国民年金を1円も納めずに障害基礎年金を受給する形になるため、他の納付者との公平性を図るために所得制限が設けられています。
なお、20歳以降の期間に初診日および障害認定日がある場合には所得制限はありません。また、障害厚生年金にもこのような所得制限はありません。
参考・20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等(日本年金機構)
3.は不適切。障害等級1級または2級の障害厚生年金の受給権者が所定の要件を満たす配偶者を有する場合、その受給権者に支給される障害厚生年金には加給年金額が加算されます。
一方、障害厚生年金の障害等級3級および障害基礎年金には、配偶者加給年金の制度はありません。
- 障害厚生年金の障害等級1級:報酬比例部分の年金額×1.25+配偶者加給年金額
- 障害厚生年金の障害等級2級:報酬比例部分の年金額+配偶者加給年金額
- 障害厚生年金の障害等級3級:報酬比例部分の年金額
4.は不適切。労働者災害補償保険の障害補償給付の支給を受ける場合、(障害手当金の支給要件を満たしていても)障害手当金の支給を受けることはできません。
田口先生
厚生年金保険法第56条3号で「障害手当金を支給しない者」が定められており、その中に「労働者災害補償保険法の規定による障害補償給付を受ける権利を有する者」が列挙されています。
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【試験回別】過去問解説
FP2級 過去問解説
2021年9月 FP2級 学科 問題6の2の解説ですが、「障害認定日が20歳未満」が不適切のように解説されていますがこの問題に関しては「所得の額にかかわらず」の部分が不適切なのではないでしょうか?
コメントありがとうございます。
確認いたしましたところ、ぼん様のご指摘どおり解説の一部に誤りがありました。該当箇所の解説を修正いたしましたので、お時間のございますときにご確認いただければ幸いです。
またなにか不適切な解説がありましたらコメントいただけると嬉しいです。今後ともよろしくお願いいたします!