四択問題
分野:リスク
生命保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれも契約者(=保険料負担者)および保険金・給付金等の受取人は個人であるものとする。
- 契約者と被保険者が同一人である終身保険において、被保険者がリビング・ニーズ特約に基づいて受け取った保険金は、非課税となる。
- 一時払終身保険を保険期間の初日から4年10か月で解約して受け取った解約返戻金は、一時所得として所得税の課税対象となる。
- 契約者と被保険者が同一人である養老保険において、被保険者の相続人ではない者が受け取った死亡保険金は、贈与税の課税対象となる。
- 契約者と被保険者が同一人である医療保険において、疾病の治療のために入院した被保険者が受け取った入院給付金は、非課税となる。
解答
3
解説
本問は、個人が契約する生命保険において、受け取る保険金や給付金、解約返戻金に対してどのような税金が課されるかを問う問題です。
- 〇(適切):記述の通りです。リビング・ニーズ特約に基づく生前給付金は、余命6か月以内と宣告された被保険者のその後の医療費や生活費に充てるための資金であるため、所得税および住民税が非課税になります。なお、非課税で受け取った給付金を使い切れずに被保険者が死亡した場合、その残額は本来の現金・預貯金として相続税の課税対象になります。
- 〇(適切):記述の通りです。生命保険の解約返戻金は、原則として一時所得として総合課税の対象になります。一時払養老保険などを契約から5年以内に解約した場合は「金融類似商品」として源泉分離課税(20.315%)の対象となる例外規定がありますが、本肢の一時払終身保険はそもそも金融類似商品に該当しないため、解約時期が4年10か月(5年以内)であっても、原則どおり一時所得として総合課税されます。
- ✕(不適切):「贈与税の課税対象となる」という点が誤りです。正しくは「相続税の課税対象となる」です。
生命保険の死亡保険金は、契約者と被保険者が同一人物である場合、被保険者の死亡を原因として財産が受取人に移転するため、受取人が法定相続人であるか否かにかかわらず相続税の課税対象になります。なお、法定相続人以外の者が受け取った場合は、相続税は課されますが「500万円×法定相続人の数」という生命保険金の非課税枠を適用することはできません。 - 〇(適切):記述の通りです。疾病や傷害を原因として支払われる入院給付金、手術給付金、通院給付金等は、治療に要した実費や身体的損失を補てんする性質を持つため、受取人が誰(被保険者本人、配偶者、直系血族等)であっても全額が非課税になります。
肢①の補足
生前に受け取る特約給付金が非課税とされるのは、療養や生活の維持という目的を阻害しないための政策的な配慮です。しかし、その資金が使われずに被保険者が死亡した場合、その現預金は本来の生活費としての使途を失い、被保険者が遺した一般の財産へと性質が変化します。そのため、みなし相続財産としての死亡保険金の非課税枠は適用されず、通常の現預金と同じ扱いで純粋な相続財産を構成することになります。
肢②の補足
一時払養老保険は満期が定まっており貯蓄性が高いため、5年以内の短期で解約した場合は定期預金の利息と同様の性質を持つとみなされ、源泉分離課税が適用されます。一方で、一時払終身保険は一生涯の死亡保障を目的とした商品であり、早期解約時には多額の解約控除が差し引かれて元本割れするリスクが高いことから、定期預金のような金融類似商品には当たらないと判定され、経過期間を問わず一時所得として扱われます。
田口先生
死亡保険金の受け取りに関しては、被保険者・保険料の負担者・保険金受取人のそれぞれが異なる場合に贈与税の課税対象になります。例えば、肢③の文章が「契約者と被保険者が異なる養老保険において、契約者でも被保険者でもない第三者が受け取った死亡保険金は、贈与税の課税対象となる。」であれば、解答は「適切」になります。
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