2017年9月試験

FP2級 学科試験 2017年9月 問43(過去問解説)

四択問題

分野:不動産

借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。

  1. 普通借地権の設定契約では、当該契約により30年を超える存続期間を定めることができる。
  2. 普通借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、借地上に建物がない場合でも、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされる。
  3. 存続期間を50年以上とする定期借地権には建物の用途に関する制限があり、店舗または事務所等の事業用建物の所有を目的として設定することができない。
  4. 建物の譲渡により建物譲渡特約付借地権が消滅した場合において、当該建物の使用を継続する賃借人が借地権設定者に対して請求をしたときには、賃借人と借地権設定者との間で存続期間を2年とする建物の賃貸借がされたものとみなされる。



解答

1

解説

1.は適切。普通借地権の存続期間について、30年を超えて定めた場合は「その定めた期間」、30年以下で定めた場合や期間を定めなかった場合は「30年」になります。つまり、どのように決めたとしても契約の存続期間は最低30年以上になります。

  • 50年と定めた場合:50年
  • 20年と定めた場合:30年
  • 期間を定めなかった場合:30年

2.は不適切。借地契約の更新方法には「合意更新」「請求更新」「法定更新」の3つがありますが、「請求更新」と「法定更新」については(更新時に)借地上に建物がないと更新したものとはみなされません

本問は、問題文の「借地権者が契約の更新を請求した」から「請求更新」に該当することが分かるので、借地上に建物がない場合は、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとはみなされません。

3.は不適切。存続期間を50年以上とする(一般)定期借地権には、建物の用途に関する制限はありません。よって、事業用建物の所有を目的として設定することも可能です。

なお、存続期間を10年以上50年未満とする事業用定期借地権には建物の用途に関する制限があるため、居住用建物の所有を目的として設定することはできません(※事業用建物のみOK)。

4.は不適切。建物の譲渡により建物譲渡特約付借地権が消滅した場合において、当該建物の使用を継続する賃借人が借地権設定者に対して請求をしたときには、賃借人と借地権設定者との間で期間の定めのない建物の賃貸借がされたものとみなされます。

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