2018年9月試験

FP2級 学科試験 2018年9月 問24(過去問解説)

四択問題

分野:金融

債券の仕組みと特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 格付機関が行う債券の信用格付けで、「BBB(トリプルB)」格相当以上の債券は、一般に、投資適格債とされる。
  2. 日本国内において海外の発行体が発行する外国債券のうち、円建てで発行するものを「サムライ債」といい、外貨建てで発行するものを「ショーグン債」という。
  3. 日本銀行などの中央銀行が金融緩和策を強化すると、一般に、市場金利は低下し、債券価格も下落する。
  4. 個人向け国債は、基準金利がどれほど低下しても、0.05%(年率)の金利が下限とされている。



解答

3

解説

1.は適切。なお、債券の信用格付では、ダブルB格相当以下の債券を「投資不適格債(ハイイールド債)」と呼び、投機的格付とされます。

信用リスクと格付け
AAA 投資適格債 低い

信用リスク

高い

低い

期待利回り

高い

高い

債券価格

安い

AA
A
BBB
BB 投資不適格債
(ハイイールド債)
B
CCC
CC
C
D

2.は適切。「ショーグン債(外貨建て外国債券)」「サムライ債(円貨建て外国債券)」は、二重通貨建て外国債券の「デュアルカレンシー債」「リバース・デュアルカレンシー債」と4つセットで押さえておきましょう。

外国債券の種類
払込 利払 償還
ショーグン債 外貨 外貨 外貨
サムライ債
デュアルカレンシー債 外貨
リバース・デュアルカレンシー債 外貨

3.は不適切。日本銀行などの中央銀行が金融緩和策を強化すると、市中に出回るお金の量が増えるため市中金利は下落します。

市中金利が下落すると、(金利が低い時に購入した)債券を売って他の有利な金融商品に乗り換える人が増えるため、市場では債券が買われて債券価格は上昇します。

なお、債券価格は債券利回りの計算式の分母になるため、債券価格が高くなれば高くなるほど、債券利回りは低くなります。

金融緩和を強化 → 市中に出回る資金量↑ → 市場金利↓ → 債券価格↑ → 債券利回り↓

4.は適切。個人向け国債には、一定期間ごとに適用利率が変わる「変動金利型10年満期」と、発行時に決められた利率が満期まで変わらない「固定金利型5年満期」「固定金利型3年満期」の3種類の商品があります。

各商品の適用利率は社会情勢や開始時期によって異なりますが、3つとも最低保証金利(0.05%)が定められています。

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