2019年1月試験

FP2級 学科試験 2019年1月 問43(過去問解説)

四択問題

分野:不動産

借地借家法の規定に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。

  1. 普通借地権の設定当初の存続期間は、契約で期間の定めがない場合、建物の構造による区別なく一律20年とされる。
  2. 普通借地権の存続期間が満了する場合において、借地権者が契約の更新を請求したときは、借地上に建物がある場合に限り、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときを除いて、従前の契約と同一の条件(更新後の期間を除く)で契約を更新したものとみなす。
  3. 事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、書面によって行わなければならないが、公正証書による必要はない。
  4. 建物譲渡特約付借地権では、借地権を消滅させるため、借地権設定後20年以上を経過した日に、借地上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めることができる。



解答

2

解説

1.は不適切。普通借地権の最初の契約にあたっては、(目的にかかわらず)存続期間を30年以上に設定する必要があります。30年以上の期間を定めた場合は「その定めた期間」、30年未満と定めた場合および期間を定めなかった場合は「30年」になります。

2.は適切。借地契約の更新方法には「合意更新」「請求更新」「法定更新」の3つがありますが、「請求更新」と「法定更新」については(更新時に)借地上に建物がないと更新したものとはみなされません。

本肢は、問題文の「借地権者が契約の更新を請求した」から「請求更新」に該当することが分かるので、借地上に建物がある場合に限り、借地権設定者が遅滞なく異議を述べたときを除いて、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされます。

3.は不適切。事業用定期借地権等の設定を目的とする契約は、公正証書によって締結しなければならないと定められています。

4.は不適切。建物譲渡特約付借地権では、借地権を消滅させるため、借地権設定後30年以上を経過した日に、借地上の建物を借地権設定者に相当の対価で譲渡する旨を定めることができます。

3種類の定期借地権
一般定期借地権 事業用定期借地権 建物譲渡特約付借地権
契約期間 50年以上 10年以上~50年未満 30年以上
利用目的 制限なし 事業用のみ 制限なし
契約方法 書面 公正証書 制限なし

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