四択問題
分野:リスク
契約者(=保険料負担者)および死亡保険金受取人が法人、被保険者が特定の役員である終身保険(無配当保険)の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとし、いずれも保険料は毎月平準払いで支払われているものとする。
- 法人が支払った保険料は、2分の1の金額を保険料積立金として資産に計上し、残りの2分の1の金額を給与として損金の額に算入することができる。
- 法人が解約返戻金を受け取った場合、資産に計上していた保険料積立金との差額を雑収入または雑損失として計上する。
- 法人が死亡保険金を受け取った場合、資産に計上していた保険料積立金との差額を雑収入または雑損失として計上する。
- 被保険者である役員の退職にあたり、契約者(=保険料負担者)を役員、死亡保険金受取人を役員の配偶者に名義変更し、退職金の一部として現物支給した場合、その時点での解約返戻金相当額と資産に計上していた保険料積立金との差額を雑収入または雑損失として計上する。
解答
1
解説
1.は不適切。被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人である終身保険の保険料は、その全額を資産(保険料積立金)に計上します。
保険料支払時の仕訳
(借)保険料積立金 ***
(貸)現金預金など ***
(貸)現金預金など ***
2.は適切。解約返戻金よりも保険料積立金のほうが多い場合は差額を雑損失、保険料積立金よりも解約返戻金のほうが多い場合は差額を雑収入で処理します。
解約返戻金が90万円、保険料積立金が100万円の場合の仕訳
(借)現金預金など 900,000
(借)雑損失 100,000
(貸)保険料積立金 1,000,000
(借)雑損失 100,000
(貸)保険料積立金 1,000,000
解約返戻金が110万円、保険料積立金が100万円の場合の仕訳
(借)現金預金など 1,100,000
(貸)保険料積立金 1,000,000
(貸)雑収入 100,000
(貸)保険料積立金 1,000,000
(貸)雑収入 100,000
3.は適切。死亡保険金よりも保険料積立金のほうが多い場合は差額を雑損失、保険料積立金よりも死亡保険金のほうが多い場合は差額を雑収入で処理します。
死亡保険金が80万円、保険料積立金が100万円の場合の仕訳
(借)現金預金など 800,000
(借)雑損失 200,000
(貸)保険料積立金 1,000,000
(借)雑損失 200,000
(貸)保険料積立金 1,000,000
死亡保険金が120万円、保険料積立金が100万円の場合の仕訳
(借)現金預金など 1,200,000
(貸)保険料積立金 1,000,000
(貸)雑収入 200,000
(貸)保険料積立金 1,000,000
(貸)雑収入 200,000
4.は適切。解約返戻金相当額よりも保険料積立金のほうが多い場合は差額を雑損失、保険料積立金よりも解約返戻金相当額のほうが多い場合は差額を雑収入で処理します。
解約返戻金相当額70万円、保険料積立金が100万円の場合の仕訳
(借)退職金など 700,000
(借)雑損失 300,000
(貸)保険料積立金 1,000,000
(借)雑損失 300,000
(貸)保険料積立金 1,000,000
解約返戻金相当額130万円、保険料積立金が100万円の場合の仕訳
(借)退職金など 1,300,000
(貸)保険料積立金 1,000,000
(貸)雑収入 300,000
(貸)保険料積立金 1,000,000
(貸)雑収入 300,000
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