2020年1月試験

FP2級 学科試験 2020年1月 問50(過去問解説)

四択問題

分野:不動産

不動産の投資判断の手法等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. IRR法(内部収益率法)による投資判断においては、内部収益率が対象不動産に対する投資家の期待収益率を上回っている場合、その投資は有利であると判定することができる。
  2. 収益還元法のうち直接還元法は、連続する複数年度に発生する純収益および復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計して対象不動産の収益価格を求める手法である。
  3. NPV法(正味現在価値法)による投資判断においては、投資額の現在価値の合計額が対象不動産から得られる収益の現在価値の合計額を上回っている場合、その投資は有利であると判定することができる。
  4. NOI利回り(純利回り)は、対象不動産から得られる年間の総収入を総投資額で除して算出される利回りである。



解答

1

解説

1.は適切。内部収益率の数値が大きいほど、有利な投資になります。

2.は不適切。収益還元法には「直接還元法」と「DCF(ディスカウントキャッシュフロー)法」の2種類があります。

本肢の「連続する複数年度に発生する純収益および復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計して対象不動産の収益価格を求める手法」は、直接還元法ではなくDCF法の説明です。

直接還元法は「単年度の純収益(収益-費用)を一定率で割り戻して対象不動産の収益価格を求める手法」です。

3.は不適切。説明が逆です。NPV法による投資判断においては、投資不動産から得られる収益の現在価値の合計額投資額の現在価値の合計額を上回っている場合、その投資は有利であると判定することができます。なお、割引現在価値の数値が大きいほど、有利な投資になります。

4.は不適切。NOIとは「Net Operating Income」の略語で、営業純利益(純収益)を意味します。営業収益から営業費用を差し引いて算定します。このNOIを投資総額で割ったものが、本問で問われているNOI利回り(純利回り)になります。

NOI=営業収益-営業費用

NOI利回り=NOI÷投資総額

上記のとおり、NOI利回りは、対象不動産から得られる年間の「総収入」ではなく「営業純利益(純収益)」を総投資額で除して算出される利回りです。

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