分野:不動産

四択問題

 建物賃貸借において、民法および借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、借地借家法第38条による定期建物賃貸借契約以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。また、民法と借地借家法の規定の両方の適用を受ける場合には借地借家法が優先し、記載された特約以外のものについては考慮しないものとする。

  1. 普通借家契約において、賃貸借の存続期間は50年を超えてはならない。
  2. 普通借家契約において、賃借人は、原則として、その建物の賃借権の登記がなくても、引渡しを受けていれば、その後その建物について物権を取得した者に賃借権を対抗することができる。
  3. 賃借人は、建物の引渡しを受けた後にこれに生じた損傷であっても、通常の使用および収益によって生じた建物の損耗および経年変化については、賃貸借終了時、原状に復する義務を負わない。
  4. 普通借家契約において、賃借人が賃貸人の同意を得て建物に設置した造作について、賃貸借終了時、賃借人が賃貸人にその買取りを請求しない旨の特約をすることができる。

解答

1

解説

 1.は不適切。借地借家法が適用される普通借家契約は、賃貸借の存続期間の上限がありません。50年を超えることも可能です。

 2.は適切。借地借家法第31条に「建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。」と定められています。

 3.は適切。例えば、日照によるクロスの変色、家具の設置による床の凹み、冷蔵庫の設置による壁の電気焼け、画びょうの穴などが「通常の使用および収益によって生じた建物の損耗および経年変化」に該当します。

 よって、賃借人はこれらに関する原状回復費用を負担する必要はありません。

 4.は適切。造作買取請求権は任意規定のため、賃借人に造作買取請求権を放棄させる旨の特約は、普通借家契約・定期借家契約に関係なく有効です。