四択問題
分野:不動産
不動産の投資判断の手法等に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- DCF法は、連続する複数の期間に発生する総収入および復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計して対象不動産の収益価格を求める手法である。
- NPV法(正味現在価値法)による投資判断においては、対象不動産から得られる収益の現在価値の合計額が投資額の現在価値の合計額を上回っている場合、その投資は投資適格であると判定する。
- 借入金併用型の不動産投資において、レバレッジ効果が働いて自己資金に対する収益率の向上が期待できるのは、借入金の金利が総投下資本に対する収益率を上回っている場合である。
- NOI利回り(純利回り)は、対象不動産から得られる年間の総収入を総投資額で除して算出される利回りであり、不動産の収益性を測る指標である。
解答
2
解説
1.は不適切。DCF法は、連続する複数の期間に発生する純収益および復帰価格を、その発生時期に応じて現在価値に割り引き、それぞれを合計して対象不動産の収益価格を求める手法です。
なお、DCF法(ディスカウントキャッシュフロー法)には、NPV法(正味現在価値法)とIRR法(内部収益率法)の2つの方法があります。
2.は適切。なお、割引現在価値の数値が大きいほど、有利な投資になります。
3.は不適切。レバレッジ効果が働いて自己資金に対する収益率の向上が期待できるのは、借入金の金利が総投下資本に対する収益率を下回っている場合です。
例えば、家賃収入が月額40万円(年額480万円)の物件があったとして、これを8,000万円で購入したと仮定しましょう。
全額自己資金で購入した場合の投下した自己資金に対する収益率は6%(=480万円÷8,000万円)ですが、自己資金2,000万円+銀行から年利1%で借り入れた6,000万円で購入した場合、投下した自己資金に対する収益率は21%(=420万円÷2,000万円)になります。
4.は不適切。NOIとは「Net Operating Income」の略語で、営業純利益(純収益)を意味します。営業収益から営業費用を差し引いて算定します。このNOIを投資総額で割ったものが、本問で問われているNOI利回り(純利回り)になります。
NOI=営業収益-営業費用
NOI利回り=NOI÷投資総額
上記のとおり、NOI利回りは、対象不動産から得られる年間の「総収入」ではなく「営業純利益(純収益)」を総投資額で除して算出される利回りです。
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