2019年1月試験

FP2級 学科試験 2019年1月 問29(過去問解説)

四択問題

分野:金融

上場株式等の配当および譲渡にかかる税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 上場株式等の配当所得(一定の大口株主等が受ける配当にかかる所得を除く)について、確定申告をする場合、総合課税に代えて申告分離課税を選択することができる。
  2. 上場株式等の配当所得(一定の大口株主等が受ける配当にかかる所得を除く)について、総合課税を選択する場合、上場株式等の譲渡損失の金額と損益通算することができる。
  3. 上場株式等の譲渡損失の金額は、特定公社債等の利子等にかかる利子所得と損益通算することができる。
  4. 損益通算してもなお控除しきれない上場株式等の譲渡損失の金額は、確定申告をすることにより、翌年以後3年間にわたって繰り越すことができる。



解答

2

解説

1.は適切。上場株式にかかる配当所得は、「総合課税」だけでなく「申告分離課税」を選択することもできます。なお、申告分離課税を選択した場合は、配当控除の適用はありません

また、配当受取時の源泉徴収(税率20.315%)だけで課税関係が終了する「申告不要」を選択することもできます。

  • 総合課税:配当控除の適用可、上場株式等の譲渡損失との損益通算不可
  • 申告分離課税:配当控除の適用不可、上場株式等の譲渡損失との損益通算
  • 申告不要:配当控除の適用不可、上場株式等の譲渡損失との損益通算不可

2.は不適切。上記のとおり、上場株式等の譲渡損失の金額と損益通算することができるのは「申告分離課税」を選択した場合に限られます。「総合課税」を選択した場合、上場株式等の譲渡損失の金額と損益通算することはできません。

3.は適切。特定公社債等の利子等にかかる利子所得については、「申告分離課税」または「申告不要」のいずれかを選択することができます。

「申告分離課税」を選択した特定公社債の利子は、上場株式等の譲渡損失との損益通算や繰越控除の適用対象になります。

4.は適切。繰り越した上場株式等の譲渡損失の金額は、上場株式等にかかる譲渡所得等の金額および上場株式等にかかる配当所得等の金額から繰越控除することができます。

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