2021年9月試験

FP2級 学科試験 2021年9月 問43(過去問解説)

四択問題

分野:不動産

借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条の借地権を一般定期借地権、第23条の借地権を事業用定期借地権等といい、第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権という。

  1. 普通借地権の設定契約は、公正証書による等書面によってしなければならない。
  2. 普通借地権の存続期間満了前に、借地権者の債務不履行により普通借地権の設定契約が解除された場合、借地権者は借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
  3. 一般定期借地権において、もっぱら事業の用に供する建物の所有を目的とするときは、存続期間を30年として設定することができる。
  4. 事業用定期借地権等においては、法人が従業員向けの社宅として利用する建物の所有を目的として設定することができない。



解答

4

解説

1.は不適切。普通借地権の契約方法について特段の制約はありません。口頭でも書面でもどちらでもOKです。

2.は不適切。借地借家法第13条において、「借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。」と定められています。

よって、普通借地権の存続期間が満了した場合は買取請求権を行使することができますが、本肢のように借地権者の債務不履行により普通借地権の設定契約が解除された場合は、買取請求権を行使することはできません。

  • 存続期間が満了&更新なし:買取請求権を行使できる
  • 借地権者の債務不履行により契約解除:買取請求権を行使できない

3.は不適切。一般定期借地権の存続期間は50年以上と定められているため、もっぱら事業の用に供する建物の所有を目的とする場合であっても存続期間を30年として設定することはできません。

なお、一般定期借地権には、建物の用途に関する制限はありません。よって、本肢のように事業用建物の所有を目的として設定することも可能です。

4.は適切。事業用定期借地権の利用目的は事業用のみに限定されているため、居住用の建物の所有を目的として設定することはできません。

3種類の定期借地権
一般定期借地権 事業用定期借地権 建物譲渡特約付借地権
契約期間 50年以上 10年以上~50年未満 30年以上
利用目的 制限なし 事業用のみ 制限なし
契約方法 書面 公正証書 制限なし

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