四択問題
分野:不動産
借地借家法に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。なお、本問においては、同法第22条から第24条の定期借地権等以外の借地権を普通借地権といい、特約については考慮しないものとする。
- 普通借地権の設定当初の存続期間は、借地権者と借地権設定者との合意にかかわらず、30年を超えて定めることができない。
- 普通借地権の存続期間が満了する場合、借地権設定者が立退き料を支払うことにより、借地契約を必ず終了させることができる。
- 借地権者は、普通借地権について登記がなくても、当該土地上に借地権者の名義で登記された建物を所有するときは、これをもって借地権を第三者に対抗することができる。
- 普通借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は借地権設定者に対し、建物を建築費で買い取るよう請求することができる。
解答
3
解説
1.は不適切。普通借地権の最初の契約にあたっては、(目的にかかわらず)存続期間を30年以上に設定する必要があります。30年以上の期間を定めた場合は「その定めた期間」、30年未満と定めた場合および期間を定めなかった場合は「30年」になります。
- 50年と定めた場合:50年
- 20年と定めた場合:30年
- 期間を定めなかった場合:30年
2.は不適切。普通借地権の存続期間が満了する場合、借地権設定者が立退き料を支払い(←正当な事由に該当)、更新に関して遅滞なく異議を申し立てた場合に、借地契約を終了させることができます。
3.は適切。借地借家法第10条において、「借地権は、その登記がなくても、土地の上に借地権者が登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に対抗することができる。」と定められています。
4.は不適切。借地借家法第13条において、「借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者は、借地権設定者に対し、建物その他借地権者が権原により土地に附属させた物を時価で買い取るべきことを請求することができる。」と定められています。
このように借地権者には「建物買取請求権」があるため、建物を建築費で買い取るように請求することはできませんが、適正な時価で買い取るように請求することはできます。
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