2016年9月試験

FP2級 学科試験 2016年9月 問27(過去問解説)

四択問題

分野:金融

ポートフォリオ運用に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. A資産の期待収益率が2.5%、B資産の期待収益率が6.0%の場合、A資産を40%、B資産を60%の割合で組み入れたポートフォリオの期待収益率は4.6%となる。
  2. 異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1となる場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの軽減)は得られない。
  3. 株式のポートフォリオへの組入れ銘柄数を増やすことにより、ポートフォリオの期待収益率は、組入れ銘柄の期待収益率の加重平均を上回ることができる。
  4. 株式のポートフォリオへの組入れ銘柄数を増やすことにより、市場全体の動き(システマティック・リスク)の影響を軽減することができる。



解答

1

解説

1.は適切。ポートフォリオの期待収益率は、各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した数字になります。

ポートフォリオの期待収益率=Aの期待収益率×組入比率+Bの期待収益率×組入比率

ポートフォリオの期待収益率=2.5%×0.4+6.0%×0.6=4.6%

2.は不適切。異なる2つの資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1となる場合、2つの資産の値動きが正反対になるため、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減)は最大になります。

なお、2資産間の相関係数が+1の場合、2つの資産の値動きが全く同じになるため分散投資の効果(リスクの低減)はありません。

  • 相関係数+1:2つの資産の値動きが全く同じ(=分散投資の効果はゼロ)
  • 相関係数0:2つの資産の値動きに規則性なし
  • 相関係数-1:2つの資産の値動きが正反対(=分散投資の効果は最大)

3.は不適切。ポートフォリオの期待収益率は、各資産の期待収益率を加重平均した数字なので、組入れ銘柄を増やしても組入れ銘柄の期待収益率の加重平均を上回ることはできません。

4.は不適切。アンシステマティック・リスクは組入れ銘柄を増やすことにより低減できますが、海外の資本市場の動向や政府要人の発言、全国的な気候や災害などに起因するシステマティック・リスクは、組入銘柄を増やしても低減できません。

  • システマティック・リスク→市場全体に起因するリスク→分散投資しても低減不可能
  • 非システマティック・リスク→個々の企業に起因するリスク→分散投資により低減可能

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