2018年5月試験

FP2級 学科試験 2018年5月 問50(過去問解説)

四択問題

分野:不動産

不動産の投資判断等の手法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. NPV法(正味現在価値法)による投資判断においては、投資不動産から得られる収益の現在価値の合計額が投資額の現在価値の合計額を上回っている場合、その投資は有利であると判定することができる。
  2. IRR法(内部収益率法)による投資判断においては、内部収益率が対象不動産に対する投資家の期待収益率を上回っている場合、その投資は有利であると判定することができる。
  3. NOI利回り(純利回り)は、対象不動産から得られる年間総収入を総投資額で除して算出される利回りであり、不動産の収益性を測る指標である。
  4. 借入金併用型投資では、投資の収益率が借入金の金利を上回っている場合には、レバレッジ効果により自己資金に対する投資の収益率の向上が期待できる。



解答

3

解説

1.は適切。現在価値の合計額(割引現在価値)の数値が大きいほど、有利な投資になります。

2.は適切。内部収益率の数値が大きいほど、有利な投資になります。

3.は不適切。NOIとは「Net Operating Income」の略語で、営業純利益(純収益)を意味します。営業収益から営業費用を差し引いて算定します。このNOIを投資総額で割ったものが、本問で問われているNOI利回り(純利回り)になります。

NOI=営業収益-営業費用

NOI利回り=NOI÷投資総額

上記のとおり、NOI利回りは、対象不動産から得られる年間の「総収入」ではなく「営業純利益(純収益)」を総投資額で除して算出される利回りです。

4.は適切。例えば、家賃収入が月額40万円(年額480万円)の物件があったとして、これを8,000万円で購入したと仮定しましょう。

全額自己資金で購入した場合の投下した自己資金に対する収益率は6%(=480万円÷8,000万円)ですが、自己資金4,000万円+銀行から年利1%で借り入れた4,000万円で購入した場合、投下した自己資金に対する収益率は11%(=440万円÷4,000万円)になります。

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