四択問題
分野:ライフ
老齢基礎年金の繰下げ支給に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
- 老齢基礎年金の受給権を有する65歳6か月の者は、当該老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をすることができる。
- 付加年金を受給できる者が老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合、付加年金の額は繰下げによって増額されない。
- 老齢基礎年金の繰下げ支給による年金の増額率は、繰り下げた月数に0.7%を乗じて得た率で、最大42%となる。
- 老齢厚生年金の受給権を有する者が老齢基礎年金の支給開始年齢を繰り下げる場合は、同時に老齢厚生年金の支給開始年齢も繰り下げなければならない。
解答
3
解説
1.は不適切。老齢基礎年金を受け取るためには年金の請求手続きをする必要がありますが、繰下げ支給の申請は66歳以降に行う必要があります。
よって、老齢基礎年金の受給権を有する65歳6か月の者は、当該老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をすることができません。
- 65歳から受給したい人:65歳になったタイミングで申請
- 66歳から受給したい人:66歳になったタイミングで申請(1年繰下げ→8.4%加算)
- 67歳から受給したい人:67歳になったタイミングで申請(2年繰下げ→16.8%加算)
- 68歳から受給したい人:68歳になったタイミングで申請(3年繰下げ→25.2%加算)
- 69歳から受給したい人:69歳になったタイミングで申請(4年繰下げ→33.6%加算)
- 70歳から受給したい人:70歳になったタイミングで申請(5年繰下げ→42.0%加算)
参考・老齢年金の繰上げ・繰下げ受給について(生命保険文化センター)
2.は不適切。付加年金を受給できる者が老齢基礎年金の繰下げ支給の申し出をした場合、老齢基礎年金だけでなく付加年金の額も同率で増額されます(※繰上げの場合は同率で減額)。
なお、老齢厚生年金にかかる加給年金や老齢基礎年金にかかる振替加算については、繰下げ支給を選択しても増額されません。本肢とセットで押さえておきましょう。
3.は適切。繰下げ支給を申請した場合、繰り下げた月数×0.7%が年金額に加算されます。最長の5年間(60か月)繰下げた場合の増額率は、以下の計算式で求めることができます。
60か月×0.7%=42.0%
なお、繰上げ支給を申請した場合、繰り上げた月数×0.5%が年金額から減額されるため、減額率は最大30%(=60か月×0.5%)になります。
4.は不適切。繰下げ支給(=遅くもらう)の申請に関しては、老齢基礎年金と老齢厚生年金をセットで行う必要はありません。どちらか片方のみを繰り下げることも可能です。
一方、繰上げ支給(=早くもらう)の申請に関しては、老齢基礎年金と老齢厚生年金をセットで行う必要があります。
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