四択問題
分野:金融
日本円・米ドル間の為替相場の変動要因等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 購買力平価説によれば、米国と日本に同じ財があり、その財を米国では2米ドル、日本では220円で買える場合、為替レートは1米ドル=110円が妥当と考える。
- 米国の物価が日本と比較して相対的に上昇することは、一般に、円安米ドル高要因となる。
- 日本の対米貿易黒字の拡大は、一般に、円高米ドル安要因となる。
- 米国が政策金利を引き上げ、日本との金利差が拡大することは、一般に、円安米ドル高要因となる。
解答
2
解説
1.は適切。中長期的な為替相場は各国の通貨の購買力に応じて決まる、という考え方を購買力平価説といいます。
220円÷2米ドル=@110円
世界各国のビッグマック1個の価格を比較して算定する「ビッグマック指数」は、この購買力平価説の考え方をベースにしています。
なお、購買力平価説には「絶対的購買力平価説」と「相対的購買力平価説」の2種類があります。本肢は、前者の絶対的購買力平価説の説明です。
2.は不適切。選択肢1の購買力平価説の計算式に数字を当てはめて考えてみましょう。
米国の物価が日本と比較して相対的に上昇したことにより、それまで2米ドルで買えていた財が4米ドルになった場合、妥当な為替レートは1米ドル=55円になります。
220円÷4米ドル=@55円
よって、米国の物価が日本と比較して相対的に上昇することは、一般に、円高米ドル安の要因になります。
3.は適切。日本の対米貿易黒字の拡大すると、米国企業から受け取った米ドルを(日本国内で使うために)円に交換する需要が高まるため、米ドルが売られて円が買われる(円高米ドル安)の要因になります。
逆に、日本の対米貿易赤字の拡大すると、米国企業に米ドルを支払うために手持ちの円をドルに交換する需要が高まるため、円が売られて米ドルが買われる(円安米ドル高)の要因になります。
4.は適切。米国が政策金利を引き上げ、日本との金利差が拡大すると、円よりも米ドルで資産を運用したほうが得になるので、円が売られて米ドルが買われる(円安米ドル高)の要因になります。
FP2級 過去問解説 全問リスト
【試験回別】過去問解説
FP2級 過去問解説