2020年9月試験

FP2級 学科試験 2020年9月 問35(過去問解説)

四択問題

分野:タックス

次のうち、所得税における事業所得(総合課税に係るもの)を生ずべき事業を営む青色申告者が受けることができる青色申告の特典として、最も不適切なものはどれか。

  1. 純損失の5年間の繰越控除
  2. 純損失の繰戻還付
  3. 棚卸資産の低価法による評価の選択
  4. 青色事業専従者給与の必要経費算入



解答

1

解説

青色申告とは、不動産所得・事業所得・山林所得がある人が利用できる申告方法です。

一定のルールに従って正しい申告を行うことにより、様々な優遇措置(青色申告特別控除や青色事業専従者給与など)を受けることができます。

1.は不適切。事業所得など損益通算可能な所得のうち、損益通算の規定を適用してもなお控除しきれない部分の損失が生じた場合、その損失額を翌年以後3年間にわたって繰り越して、各年分の所得金額から控除することができます。

2.は適切。上述のとおり、純損失は3年間にわたって繰越控除することが可能ですが、これに代えて純損失を前年に繰り戻して、前年分の所得税の還付を受けることもできます。

純損失の繰戻還付は、すぐに還付金を受け取りたいケースや純損失を翌年以後の3年間で消化できないケースなどで利用されます。

3.は適切。棚卸資産の評価方法は、原則として原価法(=原価を使って評価額を計算する方法)が適用されます。ただし、青色申告を行っている場合は、事前に手続きをすることにより低価法(=時価を使って評価額を計算する方法)を選択することができます。

棚卸資産の時価が原価よりも下がっている場合、原価法により計算した売上原価よりも低価法により計算した売上原価のほうが大きくなるため、結果的にその差額分だけ費用が大きくなり税金が安くなります。

4.は適切。青色申告者と生計を一にしている配偶者やその他の親族のうち、年齢が15歳以上で、その青色申告者の事業に専ら従事している人を青色事業専従者といいます。

青色事業専従者に支払った給与は、事前に提出された届出書に記載された金額の範囲内で専従者の労務の対価として適正な金額であれば、必要経費に算入することができます。

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