2021年1月試験

FP2級 学科試験 2021年1月 問49(過去問解説)

四択問題

分野:不動産

個人が土地を譲渡した場合における譲渡所得の金額の計算に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 相続により取得した土地を譲渡した場合、その土地の所有期間を判定する際の取得の日は、相続人が当該相続を登記原因として所有権移転登記をした日である。
  2. 土地を譲渡した日の属する年の1月1日における所有期間が5年以下の場合には短期譲渡所得に区分され、5年を超える場合には長期譲渡所得に区分される。
  3. 土地を譲渡する際に直接要した仲介手数料は、譲渡所得の金額の計算上、譲渡費用に含まれる。
  4. 土地の譲渡が長期譲渡所得に区分される場合、課税長期譲渡所得金額に対し、原則として、所得税(復興特別所得税を含む)15.315%、住民税5%の税率により課税される。



解答

1

解説

1.は不適切。相続や贈与により土地を取得した場合、被相続人や贈与者の取得費(いくらで買ったか)および取得日(いつ買ったか)を引き継ぎます。

2.は適切。例えば、2015年4月1日に土地を取得し、2020年11月30日に土地を譲渡した場合、実際の所有期間は5年8か月ですが、譲渡所得の判定においては「土地を譲渡した日の属する年の1月1日における所有期間」で判定するため、所有期間は5年未満と判定されて短期譲渡所得に区分されます。

  • 譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年以下:短期譲渡所得
  • 譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年超:長期譲渡所得

3.は適切。譲渡費用とは、土地や建物を売るために支出した費用をいい、不動産の譲渡所得を計算するさいに、収入金額から取得費とともに差し引きます。

譲渡所得=収入金額-(取得費+譲渡費用)

仲介手数料の他には、測量費・売買契約書の印紙代・借家人に支払った立退料・建物の取壊し費用なども譲渡費用になります。

4.は適切。2037年までは復興特別所得税(東日本大震災の復興に必要な財源を確保するために期間限定で課される税金)が加算されます。

  • 譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年以下:短期譲渡所得
  • 分離短期譲渡所得に課される税金
  • 所得税:通常30%+復興特別所得税0.63%(=30%×2.1%)=30.63%
  • 住民税:9%
  • 譲渡した年の1月1日時点の所有期間が5年超:長期譲渡所得
  • 分離長期譲渡所得に課される税金
  • 所得税:通常15%+復興特別所得税0.315%(=15%×2.1%)=15.315%
  • 住民税:5%
田口先生1
田口先生
本問は、2021年5月試験の第48問とほとんど同じ問題です!

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