2021年5月試験

FP2級 学科試験 2021年5月 問15(過去問解説)

四択問題

分野:リスク

損害保険による損害賠償等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 失火の責任に関する法律によれば、失火により他人に損害を与えた場合、その失火者に重大な過失がなかったときは、民法第709条(不法行為による損害賠償)の規定が適用される。
  2. 個人賠償責任保険では、被保険者が通学のため自転車を走行しているときに歩行者に衝突してケガを負わせたことについて、法律上の損害賠償責任を負った場合、補償の対象となる。
  3. 施設所有(管理)者賠償責任保険では、被保険者が営む飲食店の店舗の床が清掃時の水で濡れていたことにより滑って転倒した来店客がケガをしたことについて、法律上の損害賠償責任を負った場合、補償の対象となる。
  4. 生産物賠償責任保険(PL保険)では、被保険者が製造した商品の欠陥が原因で、商品を使用した者がケガをしたことについて、法律上の損害賠償責任を負った場合、補償の対象となる。



解答

1

解説

1.は不適切。失火ノ責任ニ関スル法律(通称:失火責任法)では、以下のように定められています。

民法第七百九条ノ規定ハ失火ノ場合ニハ之ヲ適用セス但シ失火者ニ重大ナル過失アリタルトキハ此ノ限ニ在ラス。
民法第709条の規定は、失火の場合には適用しない。ただし、失火した者に重大な過失があるときはこの限りではない。

よって、その失火者に重大な過失がなかったときは、民法第709条(不法行為による損害賠償)の規定は適用されません。不法行為に基づく損害賠償責任(ex.隣家の所有者に対する損害賠償責任)も発生しません。

2.は適切。個人賠償責任保険は、日常生活(※業務中は対象外)において他人にケガをさせたり、他人の物を壊してしまうことにより生じる損害賠償責任に備えて入る保険です。

よって、被保険者が通学のため自転車を走行しているときに歩行者に衝突してケガを負わせたことについて、法律上の損害賠償責任を負った場合、補償の対象になります

3.は適切。施設所有(管理)者賠償責任保険は、管理する施設内における様々な事故により発生する損害賠償責任に備えて加入する保険です。

よって、被保険者が営む飲食店の店舗の床が清掃時の水で濡れていたことにより滑って転倒した来店客がケガをしたことについて、法律上の損害賠償責任を負った場合、補償の対象になります

4.は適切。生産物賠償責任保険(PL保険)は、製造・販売した製品や提供したサービスにより他人に損害を与えた場合に、その他人に対する損害賠償責任に備えて加入する保険です。

よって、被保険者が製造した商品の欠陥が原因で、商品を使用した者がケガをしたことについて、法律上の損害賠償責任を負った場合、補償の対象になります

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