分野:リスク

四択問題

 契約者(=保険料負担者)を法人、被保険者を役員とする生命保険契約の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。また、いずれの保険契約も2020年10月に締結し、保険料は年払いであるものとする。

  1. 法人が受け取った医療保険の手術給付金は、その全額を雑収入として益金の額に算入する。
  2. 死亡保険金受取人および満期保険金受取人が法人である養老保険の支払保険料は、その全額を資産に計上する。
  3. 死亡保険金受取人が法人で、最高解約返戻率が60%である定期保険(保険期間20年)の支払保険料は、保険期間の前半4割相当期間においては、その40%相当額を資産に計上し、残額を損金の額に算入することができる。
  4. 死亡保険金受取人が法人である終身保険を解約して受け取った解約返戻金は、その全額を雑収入として益金の額に算入する。

解答

4

解説

 1.は適切。貯蓄性のない医療保険の保険料は支払時に費用処理されている(=資産計上されていない)ため、入院給付金を受け取ったときは全額を雑収入として益金の額に算入します。

保険料支払時の仕訳
(借)支払保険料 ***
 (貸)現金預金など ***
給付金受取時の仕訳
(借)現金預金など ***
 (貸)雑収入 ***

 2.は適切。貯蓄性のある養老保険の保険料は、原則として、支払った保険料の全額を保険料積立金として資産計上します。

保険料支払時の仕訳
(借)保険料積立金 ***
 (貸)現金預金など ***

 3.は適切。定期保険の保険料の経理処理は、最高解約返戻率に応じて4つに区分されます。

 最高解約返戻率が60%である定期保険の支払保険料は、保険期間の前半4割相当期間においては、その40%相当額を資産に計上し、残額(60%)を損金の額に算入することができます。

  • 50%以下:全額損金
  • 50%超70%以下:契約期間の前半4割までは60%を損金&40%を資産計上
  • 70%超85%以下:契約期間の前半4割までは40%を損金&60%を資産計上
  • 85%以上:省略

 4.は不適切。法人が終身保険の解約返戻金を受け取ったさいには、解約返戻金とそれまでに資産計上していた保険料積立金との差額を雑収入または雑損失として計上します。

保険料支払時の仕訳
(借)保険料積立金 ***
 (貸)現金預金など ***
保険金受取時の仕訳(解約返戻金>保険料積立金の場合)
(借)現金預金など ***
 (貸)保険料積立金 ***
 (貸)雑収入 ***
保険金受取時の仕訳(解約返戻金<保険料積立金の場合)
(借)現金預金など ***
(借)雑損失 ***
 (貸)保険料積立金 ***