2021年9月試験

FP2級 学科試験 2021年9月 問15(過去問解説)

四択問題

分野:リスク

契約者(=保険料負担者)を法人とする生命保険契約の経理処理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約については考慮しないものとする。また、いずれの保険契約も2021年4月に締結し、保険料は年払いであるものとする。

  1. 被保険者が従業員、給付金受取人が法人である解約返戻金のない医療保険の支払保険料は、損金の額に算入することができる。
  2. 被保険者が役員、死亡保険金受取人が法人である終身保険を法人が解約して受け取った解約返戻金は、その全額を益金の額に算入する。
  3. 被保険者が役員・従業員、給付金受取人が法人である医療保険で、法人が受け取った入院給付金および手術給付金は、その全額を益金の額に算入する。
  4. 被保険者が役員・従業員、死亡保険金受取人および満期保険金受取人が法人である養老保険の支払保険料は、その全額を資産に計上する。



解答

2

解説

1.は適切。貯蓄性のない医療保険は、保険料支払時に経費処理(=損金に算入)します。

保険料支払時の仕訳
(借)支払保険料 ***
 (貸)現金預金など ***

2.は不適切。法人が終身保険の解約返戻金を受け取ったさいには、解約返戻金とそれまでに資産計上していた保険料積立金との差額を雑収入または雑損失として計上します。

保険料支払時の仕訳
(借)保険料積立金 ***
 (貸)現金預金など ***
保険金受取時の仕訳(解約返戻金>保険料積立金の場合)
(借)現金預金など ***
 (貸)保険料積立金 ***
 (貸)雑収入 ***
保険金受取時の仕訳(解約返戻金<保険料積立金の場合)
(借)現金預金など ***
(借)雑損失 ***
 (貸)保険料積立金 ***

3.は適切。貯蓄性のない医療保険の保険料は支払時に費用処理されている(=資産計上されていない)ため、給付金を受け取ったときは全額を雑収入として益金の額に算入します。

保険料支払時の仕訳
(借)支払保険料 ***
 (貸)現金預金など ***
給付金受取時の仕訳
(借)現金預金など ***
 (貸)雑収入 ***

4.は適切。貯蓄性のある養老保険の保険料は、原則として、支払った保険料の全額を保険料積立金として資産計上します。

保険料支払時の仕訳
(借)保険料積立金 ***
 (貸)現金預金など ***

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