FP2級 学科試験 2021年9月 問33（過去問解説）

四択問題

所得税における各種所得に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

1. 賃貸用土地および建物の取得者が、当該土地および建物を取得した際に支出した仲介手数料は、その支払った年分の不動産所得の金額の計算上、全額を必要経費に算入することができる。
2. 不動産の貸付けをしたことに伴い敷金の名目により収受する金銭の額のうち、その全部または一部について、その年中に、返還を要しないことが確定した金額は、その年分の不動産所得の金額の計算上、総収入金額に算入する。
3. 借家人が賃貸借の目的とされている居宅の立退きに際し受ける立退き料（借家権の消滅の対価の額に相当する部分の金額を除く）は、原則として一時所得に該当する。
4. 収入のない専業主婦（夫）が金地金を売却したことによる所得は、譲渡所得となる。

解答

1

解説

1.は不適切。賃貸用土地および建物の取得者が当該土地および建物を取得したさいに支出した仲介手数料は、土地および建物の取得価額に算入されます。

よって、仲介手数料はその支払った年分の不動産所得の金額の計算上、全額を必要経費に算入することはできません。

参考・仲介手数料の取扱い（国税庁）

2.は適切。例えば、不動産の貸付時に受け取る礼金は「返還する必要がない金銭」に該当するため、不動産を引き渡した年分の不動産所得の金額の計算上、総収入金額に算入します。

参考・不動産所得の収入計上時期（国税庁）

3.は適切。立退き料の性格によっては譲渡所得や事業所得に分類されることもありますが、基本的には一時所得として所得税の課税対象になります。

参考・借家人が立退料をもらったとき（国税庁）

4.は適切。専業主婦が金地金を売却したことによる所得は、原則として譲渡所得に該当し、総合課税の対象になります。

参考・金地金を売ったときの税金（国税庁）

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