2022年5月試験

FP2級 学科試験 2022年5月 問10(過去問解説)

四択問題

分野:ライフ

決算書に基づく経営分析指標に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 損益分岐点比率は、実際の売上高に対する損益分岐点売上高の割合を示したものであり、一般に、この数値が低い方が企業の収益性が高いと判断される。
  2. 自己資本比率は、総資本に対する自己資本の割合を示したものであり、一般に、この数値が低い方が財務の健全性が高いと判断される。
  3. 固定長期適合率は、自己資本に対する固定資産の割合を示したものであり、一般に、この数値が低い方が財務の健全性が高いと判断される。
  4. ROEは、自己資本に対する当期純利益の割合を示したものであり、一般に、この数値が低い方が経営の効率性が高いと判断される。



解答

1

解説

1.は適切。損益分岐点売上高は、売上高と費用が等しくなる売上高(=利益がゼロになる売上高)のことです。一般に、この数値が低い方が企業の収益性が高いと判断されます。

損益分岐点売上高が100万円の場合
  • 実際の売上高が200万円の場合の損益分岐点比率:100万円÷200万円×100=50%
  • 実際の売上高が500万円の場合の損益分岐点比率:100万円÷500万円×100=20%
  • 実際の売上高が1,000万円の場合の損益分岐点比率:100万円÷1,000万円×100=10%

2.は不適切。前半部分の「総資本に対する自己資本の割合を示したもの」という記述は正しいですが、後半部分の記述に誤りがあります。

返済義務のない自己資本の占める割合が大きければ大きいほど自己資本比率は高くなるため、一般に、自己資本比率が高いほうが財務の健全性が高いと判断されます。

3.は不適切。自己資本に対する固定資産の割合を示したものは、固定長期適合率ではなく固定費率です。一般に、この数値が低いほうが財務の健全性が高いと判断されます。

固定長期適合率は、固定負債と自己資本に対する固定資産の割合を示したものです。固定費率と同様に、この数値が低いほうが財務の健全性が高いと判断されます。

4.は不適切。前半部分の「自己資本に対する当期純利益の割合を示したもの」という記述は正しいですが、後半部分の記述に誤りがあります。

会社が自己資本をうまく活用して利益を増やせば増やすほどROEは高くなるため、一般に、自己資本利益率が高いほうが経営の効率性が高いと判断されます。

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