四択問題
分野:金融
固定利付債券(個人向け国債を除く)の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 市場金利の上昇は債券価格の下落要因となり、市場金利の低下は債券価格の上昇要因となる。
- 発行体の財務状況の悪化や経営不振などにより、元金の償還や利払い等が履行されない可能性が高まることは、債券価格の下落要因となる。
- 景気が好況で物価が持続的に上昇する状態にある局面では、債券価格は上昇する傾向がある。
- 債券を償還までの期間の長短で比較した場合、他の条件が同一であれば、償還までの期間が長い債券のほうが、利回りの変化に対する価格の変動幅は大きくなる。
解答
3
解説
本問は、世の中の金利、景気・物価の動向、満期までの期間などの様々な要因によって、債券の価格がどのように変動するのかという基本メカニズムを問う問題です。
債券とは、国や企業が投資家から資金を借りるために発行する借用証書のようなものです。固定利付債券は、発行時に約束された利息(クーポン)が満期までずっと変わらないのが特徴です。
世の中の金利が変わると、この固定された利息の魅力度が相対的に変化するため、すでに発行されて市場に出回っている債券の本体価格が上がったり下がったりします。
- 〇(適切):記述の通りです。市場金利と債券価格は、シーソー(逆)の動きをします。世の中の金利が上がると、新しく発行される金利の高い債券のほうが魅力的になるため、すでに発行されている過去の(金利が低い)債券は人気がなくなって売られ、結果として価格が下落します。逆に世の中の金利が下がれば、過去の高金利な債券が人気を集めて価格が上昇します。
- 〇(適切):記述の通りです。債券を発行している国や企業の業績が悪化したり倒産の危機に陥ったりすると、「約束通りに利息が支払われないかもしれない」「満期になっても元本が返ってこないかもしれない」という危険性(デフォルトリスク)が高まります。そのような危険な債券は投資家から敬遠されて市場で売られるため、結果として債券価格は下落します。
- ✕(不適切):「債券価格は上昇する傾向がある」という点が誤りです。正しくは「債券価格は下落する傾向がある」です。
景気が良くなって物価が持続的に上昇する局面では、企業は積極的にお金を借りて設備投資などをしようとするため、お金の需要が高まり市場金利が上昇します。また、日本銀行などの中央銀行も景気の過熱やインフレを抑えるために政策金利を引き上げます。世の中の金利が上昇するということは、肢①の解説でも述べたように、すでに発行されている債券の価格は下落するのが正しいメカニズムになります。 - 〇(適切):記述の通りです。満期までの期間が長い債券ほど、金利変動による価格のブレ幅は大きくなります。例えば、金利が上がって自分が持っている過去の債券が不利になった場合、満期まで残り1年なら、あと少し我慢すれば額面通りに元本が戻ってくるため価格はそこまで大きく下がりません。しかし、満期まで残り10年もあると、この先10年間もずっと不利な金利のまま縛られ続ける状態になるため、その悪影響を受けて価格は大きく下落します。
田口先生
なぜ金利と価格が逆の動きをするのか、具体的な数字で考えてみましょう。
あなたが金利1%の固定利付債券を買った直後に、世の中の金利が上がって金利3%の新しい債券が発行されたとします。あなたが持っている金利1%の債券を途中で誰かに買ってもらおうとしても、新しく発行されている3%の債券を買う方が得だからいらないと断られてしまいます。それでも買ってもらうためには、利息の低さをカバーして相手に損をさせない水準まで債券価格を安くして売るしかありません。これが金利上昇で債券価格が下落するリアルな仕組みです。
あなたが金利1%の固定利付債券を買った直後に、世の中の金利が上がって金利3%の新しい債券が発行されたとします。あなたが持っている金利1%の債券を途中で誰かに買ってもらおうとしても、新しく発行されている3%の債券を買う方が得だからいらないと断られてしまいます。それでも買ってもらうためには、利息の低さをカバーして相手に損をさせない水準まで債券価格を安くして売るしかありません。これが金利上昇で債券価格が下落するリアルな仕組みです。
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