2020年1月試験

FP2級 学科試験 2020年1月 問27(過去問解説)

四択問題

分野:金融

ポートフォリオ理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. ポートフォリオのリスクとは、一般に、組み入れた各資産の損失額の大きさを示すのではなく、期待収益率からのばらつきの度合いをいう。
  2. 異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が1である場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減効果)は最大となる。
  3. ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも大きくなる。
  4. ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値よりも大きくなる。



解答

1

解説

1.は適切。分散や標準偏差を使ってばらつきの度合いを測ります。なお、分散や標準偏差が大きい資産ほどリスクが大きく、小さい資産ほどリスクが小さいと判断されます。

2.は不適切。異なる2つの資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1となる場合、2つの資産の値動きが正反対になるため、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減)は最大になります。

なお、2資産間の相関係数が+1の場合、2つの資産の値動きが全く同じになるため、分散投資の効果(リスクの低減)はありません。

  • 相関係数+1:2つの資産の値動きが全く同じ(=分散投資の効果はゼロ)
  • 相関係数0:2つの資産の値動きに規則性なし
  • 相関係数-1:2つの資産の値動きが正反対(=分散投資の効果は最大)

3.は不適切。ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも大きくなることはありません。

  • 組入資産の相関係数が+1の場合:ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値そのもの(→分散投資の効果がない)
  • 組入資産の相関係数が+1以外の場合:ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも小さくなる(→分散投資の効果がある)

4.は不適切。ポートフォリオの期待収益率は、ポートフォリオに組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値になります。

例えば、期待収益率10%のA証券を70%、期待収益率3%のB証券を30%の割合で組み入れた場合、ポートフォリオの期待収益率は7.9%(=10%×0.7+3%×0.3)になります。

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