CFPの合格体験記

CFP試験の合格体験記(2019年6月試験)クマ吉さん

基本情報

  • 試験日:2019年6月(6科目一括合格
  • 投稿者:クマ吉さん
  • 勉強形態:独学
  • 勉強期間:約4か月
  • 勉強時間:約400時間

使用したテキスト・問題集・電卓

精選過去問題集
精選過去問題集

資格審査試験問題集
資格審査試験問題集

管理人さんやいろいろな方の合格体験記を読んで、新たに1級用の基本テキストを用意する必要はないと判断し、CFP精選過去問題集をひたすら繰り返しました。

なお、必要な情報は2級のテキストと暗記アプリに集約したため、まとめノートや間違いノートは特に作りませんでした。

教材レビュー

TACのテキスト(みんなが欲しかった! FPの教科書 2級・AFP)60点です。

2級のテキストなので当たり前と言ったら当たり前ですが、この1冊だけではCFPの知識を網羅できないという意味で減点(-40)しました。

CFP試験でこのテキストを使う場合、記載されていない情報は自分で書き込んでカバーする、という使い方になると思います。

CFP試験は過去問類似問題がよく出題されるため、特別な理由がないかぎり新たにテキストを買う必要はないと思いますし、使い慣れたものにどんどん情報を集約して、自分だけのテキストにしていくというのは、それはそれで良かったと思います。

2級のテキストへの書き込み1
2級のテキストへの書き込み1

2級のテキストへの書き込み2
2級のテキストへの書き込み2


FPK研修センターの精選過去問題集(CFP精選過去問題集)90点です。

この問題集の問題をスピーディに解くことができるようになれば、合格レベルに達していると判断して良いと思います。重要論点を中心にたくさんの問題が収載されているので、CFP試験の勉強には必須の問題集だと思います。

また、最新の税制・法令に合わせて問題・解答を作り直してくれているので、安心して取り組むことができました。ただ、解説を読んでも意味が分からない部分も多く(説明が難しい)、その辺はネットの情報を活用する必要がありました。

1冊がかなり分厚くて重く、持ち運びに適していないということで減点(-10)しました。

日本FP協会の試験問題集(CFP資格審査試験問題集)100点です。この教材は最後の仕上げという位置づけで購入しました。

日本FP協会のサイトにアップされている過去問(無料)は、実際に出題された過去問がそのまま掲載されているだけで、最新の法令・税制には対応していませんし解説も付いていません。

こちらの試験問題集は有料になりますが、最新の法令・税制に対応していて解説も付いていたので良かったです。

精選過去問題集はこんな感じ
精選過去問題集はこんな感じ

資格審査試験問題集はこんな感じ
資格審査試験問題集はこんな感じ


電卓(CASIO JS-20WK)100点です。叩き心地がよくて、ずっと愛用してます。他の方にもおすすめです。

勉強時間と勉強方法

別の資格試験との兼ね合いから、6科目一括受験を選択しました。

管理人さんの合格体験記に書かれていた「合格までの勉強時間」を参考にして、勉強開始時期を逆算して試験の約4か月前から勉強を始めました。

勉強する順番は「タックス→不動産→相続→金融→リスク→ライフ」の順番でやりました。タックスの内容はどの分野にも関係してくるので一番最初にやりましたが、それ以外の5科目の順番は適当に決めました。

基礎期(試験4か月前~)と直前期(試験1か月前~)の勉強方法は以下のとおりです。

基礎期の勉強方法

  • CFP精選過去問題集をいきなり解く。
  • 間違えた問題の解説を読んで、新たに出てきた知識や情報を2級のテキストに書き込む。
  • 暗記アプリを活用して、移動中などに重要事項や公式などを覚える。
  • 1科目につき2回転する→2回転したら次の科目へ進む。

直前期の勉強方法

  • 試験2日目の科目→試験1日目の科目の順番で復習する。
  • 全科目をもう1~2回転させて、間違えた点を再度復習する。
  • 試験2日目の3科目は、1日目が終わったあとに1週間の時間的な猶予があるので、まずは1日目の科目を重点的に。
  • 最後に総まとめとしてCFP資格審査試験問題集(過去2回分)を解く。
  • 間違えた回数が多い論点を中心に最後に復習する。

各科目の勉強時間は平均65時間前後でしたが、今振り返ってみるとずいぶん非効率な勉強をしていたと思います。

CFP精選過去問題集をいきなり解き始めたものの、最初は解けない問題ばかりで、問題を解くのにも復習をするのにもかなりの時間を費やしてしまいました。

特に金融の問題は計算が多いため、計算式や解法を考え込んでしまうとものすごい時間がかかってしまい、なかなか前に進めないことが多かったです。

しかも、それだけ時間かけて解いたにもかかわらず、他の5科目をやり終えてもう1度戻って来たときには、解き方のイメージがなんとなく思い出せるだけでほぼ忘れてしまっていました。

以上の経験から、自分の頭で考えて理解することは大事だとは思いますが、例えば10分考えて解答できなかったら、無理に粘らずにすぐに模範解答・解説を読んで解き方を覚えていったほうが良いと思います。

また、1回で理解するのが難しい論点は、1回ですべてを理解しようとせずに、とにかくどんどん前に進むことを優先して、何度も繰り返してやるほうが効率的だと思います。

6科目を一括受験をする方や働きながら合格を目指す方は、限られた勉強時間をうまくやりくりする必要がありますので、常に時間効率を考えて取り組むことをおすすめします。

CFP試験の各科目の勉強時間

  • 金融:約90時間
  • 不動産:約70時間
  • ライフ:約62時間
  • リスク:約56時間
  • タックス:約64時間
  • 相続:約58時間
  • 約400時間

結果的には、当初予定していた勉強時間の約2倍かかってしまいました。試験の直前期は焦りとプレッシャーでかなりキツかったです。

上述のとおり、6科目やったあとにもう一度最初の科目に戻るとびっくりするくらい忘れていました。まとまった時間が取れる休日には、やり終えた科目の間違えたポイントだけでも復習するなど、知識の抜けを防ぐ工夫が必要だったと思います。

田口先生1
田口先生
私が宅建や漢検準1級の勉強をしていたときは、まず最初に必ずまとめ教材(自作の単語帳や間違いノート)を軽く1周してから、その日の勉強に取り掛かっていました。
たくさんの科目を同時に受験する場合は、間隔が空きすぎないように気をつけてください。

試験日1日の流れ

1日目(2019年6月9日)

  • 試験会場:法政大学の市ヶ谷キャンパス
  • 試験科目:金融・不動産・ライフ

5:30 起床

出発まで不安な論点を確認。

8:30 現地入り

試験会場に大きな開放スペースがあったので、そこで最後の復習。こういうところでは皆が自分よりもできそうに見えてしまうので、極力気にしないように心がけました。

開放スペースにはかなりの人がいましたが、全体の年齢層はけっこう高めのように感じました。

9:30 金融の試験開始

確信を持って答えられるものが少なく、今までと試験の毛色が違う感じがしました。初っ端の金融から手応えがなさすぎて、6科目一括合格は無理かも…と弱気になりました。とにかく、時間ギリギリまで必死に知識を絞り出して試験終了。

いきなり気持ちが折れそうになりましたが、休憩中に「難しく感じたのは自分だけじゃないはず。平均点が下がればチャンスはある!」と自分に言い聞かせました。

12:30 不動産の試験開始

試験が始まるまでは金融みたいな問題が出たらどうしよう…と思ってましたが、全体的に過去問レベルの問題だったので余裕を持って対応できました。金融よりはリラックスして解けたと思います。

15:30 ライフの試験開始

不動産で気持ちを立て直すことができたので、ライフの試験にもリラックスして臨むことができました。不動産と同様に過去問レベルの問題だったので、余裕を持って対応できました。

ただ、さすがに1日3科目となると徐々に集中力が切れてくるので、試験の合間の休憩時間をうまく使うことが大事だと思いました。

2日目(2019年6月16日)

  • 試験会場:拓殖大学の文京キャンパス
  • 試験科目:リスク・タックス・相続

5:30 起床

1日目と同様、出発まで不安な論点を確認。

8:30 現地入り

今回の試験会場にも開放スペースがあったので、そこで最後の復習。1日目を経験し、3科目受験のペース配分も理解していたので、1日目よりはリラックスして試験に臨めました。

また、2日目の科目は金融のように手も足も出ないような問題が少ないので、とにかく設問をしっかり読んでケアレスミスをしないように心がけました。

9:30 リスクの試験開始

12:30 タックスの試験開始

15:30 相続の試験開始

リスク・タックス・相続ともに過去問と同じレベルの問題だったので、余裕を持って対応できました。

試験結果(得点状況)

  • 金融:50問中36問正解(合格ラインは27問)
  • 不動産:50問中39問正解(合格ラインは33問)
  • ライフ:50問中39問正解(合格ラインは31問)
  • リスク:50問中38問正解(合格ラインは31問)
  • タックス:50問中41問正解(合格ラインは32問)
  • 相続:50問中38問正解(合格ラインは32問)

6科目の中で一番難しく感じたのは、ダントツで金融です。受験中の手応えは全くなく、今までと違くない…?とパニック状態になりました。

1日目の最初の科目ということで緊張もあったと思いますが、確信を持って解けた問題が少なく、消去法で絞り込んで何とか答えを導き出した問題が多かったです。

逆に、金融以外の5科目はかなり簡単に感じました。金融のような問題が出たらどうしよう…と不安な気持ちで受験しましたが、いずれも問題集レベルで十分に対応できました。

今後について

試験問題の冊子
試験問題の冊子

ちょうど1年前の9月にFP3級を受験し、そこからFP2級→AFP登録→CFPと順調に進んできました。

今回、CFP試験の6科目に合格したことにより、FP1級の学科試験が免除になりました。次は、9月に行われる実技試験を受験する予定です。合格できるように引き続きベストを尽くします。

なお、CFPのエントリー研修については、現在の集合研修方式からeラーニング方式に変更されるようです。せっかくなのでeラーニング方式で研修を受ける予定です。

田口先生1
田口先生
CFPのエントリー研修は、2019年12月以降実施分から集合研修方式→通信研修(eラーニング)方式に変更されます。時間と場所の制約がなくなりますので、今までよりも受講しやすくなります。詳細は、日本FP協会の公式サイトにてご確認ください。

管理人からクマ吉さんへ追加の質問

クマ吉さんが感じた6科目一括受験のメリット・デメリットを教えてください。また、フルタイムで働きながら6科目一括合格を目指すことは可能だと思いますか?

メリットは…一括受験の合格率は低いので、合格した時に大きな自信と達成感を得られる点。また、複数回受験よりも早く次(FP1級実技)に進めるという点。

デメリットは…6科目はボリュームがあるので、1日24時間の中で犠牲にしなければいけないものも多く、時間的・精神的・肉体的に厳しい戦いになる点。また、6科目を同時進行する形になるので、常に「忘却」との戦いになる点。勉強のスケジュール管理が大変でした。

フルタイムの一括合格に関しては可能だと思います。ただ、ある程度まとまった勉強時間の確保が絶対条件になるので、その辺の融通が利くのであれば…という感じです。

私の場合は他の試験との兼ね合いもあり、一括受験しか選択肢がなかったのでやるしかない状況でしたが、フルタイムで働いている方は、管理人さんのように3科目ずつ分けて受験するのがバランスが良いと思います。

CFPの勉強開始時の6科目の知識レベルはどれぐらいですか?6科目ともFP2級合格レベルですか?それとも、宅建を持っていたり、実務の経験があったりしましたか?

2019年1月にFP2級の試験を受けたあと、2月中旬頃からCFPの勉強をスタートしましたので、スタート時の知識はFP2級合格レベルです。

ただ、2018年10月に宅建を受験して合格していたので、不動産に関してはかなりのアドバンテージがあったと思います。その他については、実務経験もないのでアドバンテージはありません。

冒頭に「管理人さんやいろいろな方の合格体験記を読んで、新たに1級用のテキストを用意する必要はないと判断し」と書いていただきましたが、受験を終えてみて、実際はいかがでしたか?感想や意見があれば教えてください。

この判断は間違ってなかったと思います。FP2級のテキストに情報を集約する、問題集をひたすらやり込むだけで十分に戦えると思います。

ただ、2019年8月にFP協会の公式テキストが全面リニューアルされたので、FP2級のテキストだけでは心配な方や苦手科目がある方は、こちらを参考にしてみるのも良いかもしれません。

クマ吉さんが使われた教材や電卓のまとめ

合格体験記・研修体験記の募集要項

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