分野:不動産

四択問題

 民法および宅地建物取引業法に基づく不動産の売買契約上の留意点に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、特約は考慮しないものとし、買主は宅地建物取引業者ではないものとする。

  1. 買主が、売主に解約手付を交付した後、売買代金の一部を支払った場合は、買主の契約の履行の着手に当たるため、売主は、解約手付の倍額を償還することによる契約の解除をすることができない。
  2. 未成年者(既婚者を除く)が法定代理人の同意を得ずに売買契約を締結した場合、その法定代理人は当該売買契約を取り消すことができる。
  3. 売買の目的物に隠れた瑕疵があり、買主が瑕疵担保責任に基づく権利を行使して損害賠償の請求をする場合、その瑕疵がある事実を知った時から3ヵ月以内にしなければならない。
  4. 宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地または建物の売買契約の締結に際して、売買代金の額の2割を超える手付金を受領することはできない。



解答

3

解説

 1.は適切。相手方が履行に着手したあとは、原則として契約を解除することはできません。

 本肢の場合、すでに買主が売買代金の一部を支払っている(=履行に着手している)ため、売主は契約を解除することができません。

 なお、買主が履行に着手する前であれば、売主は、受領した代金を返還し、手付金の倍額を償還することにより、契約の解除をすることができます。

  • 買主の履行着手とは:売買代金を支払った時点(一部でもOK)
  • 売主の履行着手とは:建築作業を始めた時点

 2.は適切。民法第5条に「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない(第1項)。前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる(第2項)。」と定められています。

 3.は不適切。売買の目的物に隠れた瑕疵があり、買主が瑕疵担保責任に基づく権利を行使して損害賠償の請求をする場合、その瑕疵がある事実を知った時から1年以内にしなければなりません。

 例えば、建物が引き渡されて10年が経過していたとしても、欠陥(瑕疵)を発見した日から1年以内であれば、瑕疵担保責任に基づく権利を行使して損害賠償の請求をすることができます。

 ただ、それでは売主の責任があまりにも重くなってしまうので、特約を結んで瑕疵担保責任の期間を短縮したり免除することもあります。

 4.は適切。宅地建物取引業法第39条に「宅地建物取引業者は、みずから売主となる宅地又は建物の売買契約の締結に際して、代金の額の十分の二をこえる額の手附を受領することができない。」と定められています。