四択問題
分野:相続
民法上の贈与に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 贈与は、書面によるものであっても、その履行がなされていない場合には、各当事者が撤回することができる。
- 贈与は、書面によらないものであっても、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。
- 負担付贈与では、贈与者がその負担の限度において売買契約の売主と同様の担保責任を負う。
- 負担付贈与では、受贈者がその負担である義務を履行しない場合において、贈与者が相当の期間を定めてその履行の催告をし、その期間内に履行がないときは、贈与者は、当該贈与の契約の解除をすることができる。
解答
1
解説
1.は不適切。民法第550条で「書面によらない贈与は、各当事者が撤回することができる。ただし、履行の終わった部分については、この限りでない。」と定められています。
これを反対解釈すると…「書面による贈与は、原則として撤回することができない」と読み替えることができるため、撤回するためには相手方の同意が必要になります。
2.は適切。民法第549条で「贈与は、当事者の一方が自己の財産を無償で相手方に与える意思を表示し、相手方が受諾をすることによって、その効力を生ずる。」と定められています。
よって、贈与に関する契約は、書面ではなく口頭による意思表示でも成立します。
3.は適切。負担付贈与(ex.家の残りのローンを払ってくれたら家をあげる)は受贈者に一定の義務を負わせる形になるため、贈与者がその負担の限度において売買契約の売主と同様の瑕疵担保責任を負います。
4.は適切。負担付贈与の「権利」と「義務」はセットなので、受贈者が義務を履行しない場合は一定の手続きを経たうえで贈与契約を解除することができます。
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