四択問題
分野:金融
ポートフォリオ理論等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が1となる場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減)は最大となる。
- A資産の期待収益率が2.5%、B資産の期待収益率が6.0%の場合、A資産を40%、B資産を60%の割合で組み入れたポートフォリオの期待収益率は4.6%となる。
- シャープレシオは、ポートフォリオ全体の収益率から無リスク資産収益率を減じたものを、ポートフォリオ全体のリスク(標準偏差)で除すことにより求められる。
- システマティック・リスクは、ポートフォリオの組入れ銘柄数を増やしても低減しない。
解答
1
解説
1.は不適切。異なる2つの資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1となる場合、2つの資産の値動きが正反対になるため、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減)は最大になります。
なお、2資産間の相関係数が+1の場合、2つの資産の値動きが全く同じになるため、分散投資の効果(リスクの低減)はありません。
- 相関係数+1:2つの資産の値動きが全く同じ(=分散投資の効果はゼロ)
- 相関係数0:2つの資産の値動きに規則性なし
- 相関係数-1:2つの資産の値動きが正反対(=分散投資の効果は最大)
2.は適切。ポートフォリオの期待収益率は、各資産の期待収益率をポートフォリオの組入比率で加重平均した数値になります。
ポートフォリオの期待収益率=Aの期待収益率×組入比率+Bの期待収益率×組入比率
ポートフォリオの期待収益率=2.5%×0.4+6.0%×0.6=4.6%
3.は適切。シャープレシオは投資の効率性を示す指標です。投資効率(パフォーマンス)に比例して数値が増減します。
シャープレシオ=(ポートフォリオ全体の収益率-無リスク資産収益率)÷ポートフォリオ全体のリスク
4.は適切。システマティック・リスクは、海外の資本市場の動向や政府要人の発言、全国的な気候や災害など市場全体に起因するリスクのため、組入銘柄を増やしても低減することができません。
なお、アンシステマティック・リスクは個々の企業に起因するリスクのため、ポートフォリオの組入れ銘柄数を増やすことにより低減することができます。
- システマティック・リスク→市場全体に起因するリスク→分散投資しても低減不可能
- アンシステマティック・リスク→個々の企業に起因するリスク→分散投資により低減可能
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