四択問題
分野:リスク
生命保険の保険料等の仕組みに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 保険料の内訳は、将来の保険金・給付金等の支払いの財源となる純保険料と、保険会社が保険契約を維持・管理していくために必要な経費等の財源となる付加保険料とに分けられる。
- 生命保険事業における剰余金の3利源は、死差益・利差益・費差益である。
- 契約者配当金とは、決算によって発生した剰余金が契約者に分配されるものであり、株式の配当金と同様に、配当所得として課税対象となる。
- 責任準備金は、将来の保険金・給付金等の支払いの責任に応じるために、保険数理に基づいて算定されて積み立てられる。
解答
3
解説
1.は適切。保険料は、「純保険料」と「付加保険料」で構成されています。さらに、純保険料は「死亡保険料」と「生存保険料」の2つに分類することができます。
- 生命保険の保険料
- 純保険料(→保険金の支払いにあてられる)
- 死亡保険料(→死亡保険金の支払いにあてられる)
- 生存保険料(→生存保険金の支払いにあてられる)
- 付加保険料(→保険会社が事業を続けるために使われる)
2.は適切。死亡保険料・生存保険料・付加保険料は、以下の予定基礎率により計算されます。
- 予定基礎率
- 予定死亡率:過去の統計データにもとづいて算定した死亡率
- 予定利率:保険料として集めたお金の期待運用利回り
- 予定事業費率:保険会社の運営に必要な諸経費
通常、保険会社が契約者から受け取る死亡保険料・生存保険料・付加保険料よりも実際に発生する費用のほうが低くなるため、保険会社には以下の3つの利益からなる剰余金が残ります。
- 死差益:予定死亡率から算定した死亡者数よりも実際の死亡者数が少なかった場合に発生
- 利差益:予定利率から算定した期待運用収益よりも実際の運用収益が多かった場合に発生
- 費差益:予定事業費率から算定した経費よりも実際の経費のほうが少なかった場合に発生
3.は不適切。契約者配当金は、生命保険料控除を計算するさいに支払保険料から控除される(=生命保険料控除の金額が小さくなる)だけで、所得税の課税対象にはなりません。
4.は適切。保険会社は、保険契約者のために以下の3つからなる保険契約準備金を積み立てることが義務付けられています。
- 保険契約準備金
- 責任準備金
- 支払備金(しはらいびきん)
- 配当準備金
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