四択問題
分野:リスク
個人年金保険の税金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、いずれも契約者(=保険料負担者)は個人であるものとする。
- 契約者と年金受取人が異なる個人年金保険では、年金受取人は年金支払開始時に年金受給権を取得したものとみなされ、年金受給権は贈与税の課税対象となる。
- 契約者と被保険者が異なる個人年金保険では、被保険者が死亡して死亡給付金が法定相続人である契約者に支払われた場合、死亡給付金は一時所得として所得税の課税対象となる。
- 契約者と年金受取人が同一人である個人年金保険の場合、毎年受け取る年金は雑所得として公的年金等控除の対象となる。
- 個人年金保険料控除の対象となる個人年金保険は、保険料払込期間が10年以上あること等の要件をすべて満たし、個人年金保険料税制適格特約が付加された契約である。
解答
3
解説
1.は適切。契約者と年金受取人が異なる個人年金保険は、実質的には契約者が年金受取人にお金を贈与した形になるため、年金受給権は贈与税の課税対象になります。
なお、契約者と年金受取人が同一人である場合、年金受給権に税金はかかりません(※年金受取時に所得税がかかります)。
2.は適切。生命保険契約の死亡保険金と同様に、契約者・被保険者・受取人の組み合わせによって税金が異なります。
契約者と被保険者が異なる個人年金保険で、死亡給付金が契約者に支払われた場合、死亡給付金は所得税の課税対象になります。
契約者 (保険料負担者) |
被保険者 | 受取人 | 死亡給付金 課税対象 |
---|---|---|---|
A | B | C | 贈与税 |
A | A | B | 相続税 |
A | B | A | 所得税 |
3.は不適切。契約者と年金受取人が同一人である個人年金保険の場合、毎年受け取る年金は雑所得として所得税の課税対象になります。
- 個人年金保険の受取方法と税金
- 年金形式:所得税(雑所得)
- 一時金形式:所得税(一時所得)
ただし、支給される年金は「公的年金等の雑所得」ではなく「公的年金等以外の雑所得」に分類されるため、公的年金等控除の対象にはなりません。
- 雑所得の分類
- 公的年金等の雑所得:収入金額-公的年金等控除額
- 公的年金等以外の雑所得:総収入金額-必要経費
4.は適切。個人年金保険料控除の対象となる個人年金保険は、「保険料払込期間が10年以上あること」「年金受取人が契約者または配偶者であること」などの条件をすべて満たし、かつ、個人年金保険料税制適格特約が付加された契約に限定されます。
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