四択問題
分野:不動産
借地借家法に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、本問においては、同法における定期建物賃貸借契約を定期借家契約といい、それ以外の建物賃貸借契約を普通借家契約という。
- 期間の定めがある普通借家契約において、賃借人は、正当の事由があると認められるときでなければ、賃貸人に対して更新しない旨の通知をすることができない。
- 普通借家契約において、賃借人は、その建物の賃借権の登記がなくても、引渡しを受けていれば、その後、その建物について物権を取得した者に賃借権を対抗することができる。
- 定期借家契約は、公正証書以外の書面によっても、締結することができる。
- 定期借家契約では、賃貸借期間が1年以上の場合、賃貸人は、原則として、期間満了の1年前から6か月前までの間に賃借人に対して期間満了により契約が終了する旨の通知をしなければ、その終了を賃借人に対抗することができない。
解答
1
解説
1.は不適切。期間の定めがある普通借家契約において、賃借人(借主)は正当な事由がなくても更新を拒絶する(=更新しない旨を通知する)ことができます。
正当な事由がなければ更新を拒絶することができないのは、賃借人(借主)ではなく賃貸人(貸主)です。
2.は適切。借地借家法第31条に「建物の賃貸借は、その登記がなくても、建物の引渡しがあったときは、その後その建物について物権を取得した者に対し、その効力を生ずる。」と定められています。
3.は適切。期間の定めがある定期借家契約は、公正証書などの書面によって契約を締結する必要があります。公正証書に限定されるわけではないので、公正証書以外の書面によっても締結することができます。
4.は適切。なお、更新をしない旨の相手方に通知をしなかったときは、従前の契約と同一の条件で契約を更新したものとみなされ、契約の存続期間は定めがないものになります。
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