四択問題
分野:金融
一般的な外貨預金の仕組みと特徴に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 外貨預金の払戻し時において、預金者が外貨を円貨に換える場合に適用される為替レートは、預入金融機関が提示するTTBである。
- 為替先物予約を締結していない外貨定期預金の満期時の為替レートが預入時の為替レートに比べて円高になれば、当該外貨定期預金にかかる円換算の投資利回りは向上する。
- 外貨定期預金の預入期間中に為替先物予約を締結し、満期時に為替差益が生じた場合には、当該為替差益は、雑所得として総合課税の対象となる。
- 為替先物予約を締結していない外貨定期預金を満期時に円貨で払い戻した結果生じた為替差益は、雑所得として総合課税の対象となる。
解答
2
解説
1.は適切。TTB(対顧客電信買相場)とは、「Telegraphic Transfer Buying rate」の略語です。金融機関が顧客から外貨を買って円を支払う時(=顧客が金融機関に外貨を売って円を受け取る時)に使う為替レートです。
- TTS(対顧客電信売相場)とは、「Telegraphic Transfer Selling rate」の略語です。金融機関が顧客に外貨を売って円を買う時に使う為替レートです。
- TTM(仲値)とは、「Telegraphic Transfer Middle rate」の略語です。TTS・TTBの基準となる為替レートで、TTSとTTBのちょうど中間の値になります。
- TTB(対顧客電信買相場)とは、「Telegraphic Transfer Buying rate」の略語です。金融機関が顧客から外貨を買って円を売る時に使う為替レートです。
2.は不適切。為替先物予約を締結していない外貨定期預金の満期時の為替レートが預入時の為替レートに比べて円高になった場合、日本円での価値が減少するため円換算の投資利回りは下落します。
例えば、1ドル100円のときに1年満期の定期預金(年利率10%)に100ドルを預けた場合、1年後の満期時に「元本100ドル」と「利息10ドル」の合計110ドルを受け取ることができます。
預入時と満期時の為替レートが同じ(1ドル100円)だった場合、円換算額は11,000円(=110ドル×@100円)になり、円換算額の投資利回りは年10.0%になります。
仮に、満期時の為替レートが預入時よりも円高(1ドル95円)になっていた場合、円換算額は10,450円(=110ドル×@95円)になり、円換算額の投資利回りは年4.5%になります。
3.と4.は適切。外貨定期預金の為替差益の課税関係については「為替予約を締結しなかった場合」「預入時に為替予約を締結した場合」「預入期間中に為替予約を締結した場合」の3パターンを押さえておきましょう。
為替差益の課税関係
- 為替予約を締結しなかった場合:雑所得として総合課税の対象
- 預入時に為替予約を締結した場合:源泉分離課税の対象
- 預入期間中に為替予約を締結した場合:雑所得として総合課税の対象
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