2020年9月試験

FP2級 学科試験 2020年9月 問7(過去問解説)

四択問題

分野:ライフ

公的年金の老齢給付に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 1961年(昭和36年)4月2日以降に生まれた男性は、老齢基礎年金の受給資格期間を満たし、厚生年金保険の被保険者期間を1年以上有していても、報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金の支給を受けることができない。
  2. 国民年金の保険料納付済期間が10年以上あり、厚生年金保険の被保険者期間を有する者は、原則として、65歳から老齢基礎年金および老齢厚生年金を受給することができる。
  3. 老齢厚生年金の繰下げ支給を申し出る場合、老齢基礎年金の繰下げ支給と同時に申し出なければならない。
  4. 付加年金の受給権者が老齢基礎年金の繰下げ支給の申出をした場合、付加年金の額についても繰下げによって増額される。



解答

3

解説

1.は適切。報酬比例部分のみの特別支給の老齢厚生年金の支給を受けるためには、以下の要件を満たす必要があります。

  • 男性の場合、昭和36年4月1日以前に生まれたこと
  • 女性の場合、昭和41年4月1日以前に生まれたこと
  • 老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていること
  • 厚生年金保険等に1年以上加入していたこと
  • 60歳以上であること

2.は適切。老齢基礎年金は受給資格期間が10年以上の人が、65歳から受け取ることができる年金です。以前の要件は「25年以上」でしたが、2017年8月1日から「10年以上」に短縮されました。

なお、老齢厚生年金は「老齢基礎年金の受給資格期間を満たしていること」「厚生年金の加入期間が1か月以上であること」の2点を満たしている人が、65歳から受け取ることができる年金です。

3.は不適切。繰下げ支給(=遅くもらう)の申請に関しては、老齢基礎年金と老齢厚生年金をセットで行う必要はありません。片方のみを繰下げることも可能です。

一方、繰上げ支給(=早くもらう)の申請に関しては、老齢基礎年金と老齢厚生年金をセットで行う必要があります。

4.は適切。なお、加給年金額は、繰下げしても増額されません。また、繰下げ待機期間中に加給年金部分のみを受けることはできません。

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