四択問題
分野:金融
固定利付債券の利回り(単利・年率)と市場金利の変動との関係に関する次の記述の空欄(ア)、(イ)にあてはまる語句の組み合わせとして、最も適切なものはどれか。なお、手数料、経過利子、税金等については考慮しないものとする。
- 表面利率が0.2%、償還期限が10年の固定利付債券(以下「債券A」という)が額面100円当たり100円で新規に発行された。発行から5年後、市場金利が上昇したことに伴い、債券Aの最終利回りも0.4%に上昇した。
- この状況において、債券Aを新規発行時に購入し、発行から5年後に売却した場合の所有期間利回りは( ア )。また、債券Aを新規発行時に購入し、償還まで保有した場合の応募者利回りは( イ )。
- (ア)0.2%よりも低くなる ・ (イ)0.2%よりも高くなる
- (ア)0.2%よりも高くなる ・ (イ)0.2%で変わらない
- (ア)0.2%よりも低くなる ・ (イ)0.2%で変わらない
- (ア)0.2%で変わらない ・ (イ)0.2%よりも低くなる
解答
3
解説
利回りの計算問題はFP2級の頻出論点のひとつです。
よく問われる「直接利回り」「応募者利回り」「最終利回り」「所有期間利回り」の4つについては、計算式を完ぺきに覚えておきましょう。
- 直接利回り=表面利率/購入単価×100
- 応募者利回り={表面利率+(額面単価-購入単価)/償還期限}/購入単価×100
- 最終利回り={表面利率+(額面単価-購入単価)/残存年数}/購入単価×100
- 所有期間利回り={表面利率+(売却単価-購入単価)/所有期間}/購入単価×100
本問では「所有期間利回り」と「応募者利回り」が問われているので、上記の計算式に数字を当てはめて2つの利回りを計算しましょう。
所有期間利回り={0.2+(売却価格-100)/5}/100×100=?
問題文の「発行から5年後、市場金利が上昇したことに伴い、債券Aの最終利回りも0.4%に上昇した。」から、市場金利の上昇にともない債券価格が下落し、結果的に債券利回りが上昇したことが分かります。
本問は売却価格が明らかにされていないため、正確な所有期間利回りを計算することはできません。ただし、市場金利の上昇によって債券価格が下落していることから、売却単価が購入単価100円よりも低くなっていることは分かります。
つまり、正確な数字は分からないものの所有期間利回りの計算式の「(売却価格-100)/5」の部分がマイナスになることは間違いないため、債券Aを新規発行時に購入し、発行から5年後に売却した場合の所有期間利回りは0.2%よりも低くなります。
応募者利回り={0.2+(100-100)/10}/100×100=0.2%
応募者利回りは市場金利の変動の影響を受けないため、債券Aを新規発行時に購入し、償還まで保有する場合の応募者利回りは0.2%で変わりません。
田口先生
本問は、2019年5月試験の第23問とほとんど同じ問題です!
FP2級 過去問解説 全問リスト
【試験回別】過去問解説
FP2級 過去問解説