2021年1月試験

FP2級 学科試験 2021年1月 問27(過去問解説)

四択問題

分野:金融

ポートフォリオ理論に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 国内株式のポートフォリオにおいて、組入れ銘柄数を増やすことにより、システマティック・リスクを低減することができる。
  2. 異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1である場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減)は得られない。
  3. ポートフォリオの期待収益率は、組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となる。
  4. ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも大きくなる。



解答

3

解説

1.は不適切。システマティック・リスクは、海外の資本市場の動向や政府要人の発言、全国的な気候や災害など市場全体に起因するリスクのため、組入銘柄を増やしても低減することができません

なお、アンシステマティック・リスクは個々の企業に起因するリスクのため、組入れ銘柄数を増やすことにより低減することができます。

  • システマティック・リスク→市場全体に起因するリスク→分散投資しても低減不可能
  • アンシステマティック・リスク→個々の企業に起因するリスク→分散投資により低減可能

2.は不適切。2資産間の相関係数は、2つの資産の値動きの連動性を示す指標です。数値は「+1~-1」で表されます。

2資産間の相関係数が-1となる場合、2つの資産の値動きが正反対になるため、ポートフォリオを組成することによる分散投資(リスク低減)の効果は最大になります。

  • 相関係数+1:2つの資産の値動きが全く同じ(=分散投資の効果はゼロ)
  • 相関係数0:2つの資産の値動きに規則性なし
  • 相関係数-1:2つの資産の値動きが正反対(=分散投資の効果は最大)

3.は適切。例えば、A資産の期待収益率が2%、B資産の期待収益率が3%の場合、A資産を60%、B資産を40%の割合で組み入れたポートフォリオの期待収益率は2.4%(=2%×0.6+3%×0.4)になります。

4.は不適切。ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも大きくなることはありません。

  • 組入資産の相関係数が+1の場合:ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値そのもの(→分散投資の効果がない)
  • 組入資産の相関係数が+1以外の場合:ポートフォリオのリスクは、組み入れた各資産のリスクを組入比率で加重平均した値よりも小さくなる(→分散投資の効果がある)

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