四択問題
分野:金融
金融派生商品に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 現物と反対のポジションの先物を保有することなどにより、価格変動リスク等を回避または軽減することを狙う取引を、ヘッジ取引という。
- ヘッジ取引には、将来の価格上昇リスク等を回避または軽減する売りヘッジと将来の価格下落リスク等を回避または軽減する買いヘッジがある。
- 現物価格と当該現物を原資産とする先物価格の間で価格差が生じた場合、割高な方を売り、割安な方を買うポジションを組み、その価格差を利益として得る取引を、裁定取引という。
- 先物の将来の価格を予想してポジションを取り、予想どおりの方向に変動したときに、反対売買を行って利益を確定する取引を、スペキュレーション取引という。
解答
2
解説
1.は適切。例えば、現物で「買い」のポジションを持っている場合、先物でそのポジションと同じ量の「売り」を持てば、取引を行った時点以降の価格変動リスクを回避することができます。
2.は不適切。説明が逆です。
ヘッジ取引には、将来の価格上昇リスク等を回避または軽減する買いヘッジと将来の価格下落リスク等を回避または軽減する売りヘッジがあります。
例えば、現物で「買い」のポジションを持っている場合、先物で同じ量の売りヘッジをする(=現物と同じ量の「売り」を持つ)ことによって、将来的に価格が下落しても「現物のマイナス」と「先物のプラス」で相殺できるため、価格下落リスクを回避することができます。
3.は適切。裁定取引は、金利差や価格差を利用してローリスクで利ざやを稼ぐ取引です。「アービトラージ」「サヤ取り」と呼ばれることもあります。
4.は適切。スペキュレーション取引は、短期的な売買により利ざやを稼ぐ投機的な取引です。スペキュレーション取引を行う投資家をスペキュレーター(投機筋)といいます。
参考・先物取引によるスペキュレーション(金融広報中央委員会)
FP2級 過去問解説 全問リスト
【試験回別】過去問解説
FP2級 過去問解説