四択問題
分野:金融
為替相場の変動要因に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 日本の物価が米国と比較して相対的に上昇することは、一般に、円安・米ドル高の要因となる。
- 米国が政策金利を引き上げることにより、日本と米国との金利差が拡大することは、一般に、円高・米ドル安の要因となる。
- 日本の対米貿易黒字が拡大することは、一般に、円高・米ドル安の要因となる。
- 購買力平価説によれば、米国と日本に同じ財があり、その財を米国では3米ドル、日本では450円で買える場合、為替レートは1米ドル=150円が妥当となる。
解答
2
解説
本問は、為替相場がどのような要因(物価、金利、貿易収支など)によって変動するのか、その基本的なメカニズムを問う問題です。
異なる国の通貨を交換するさいの為替レートは、二国間の金利差・物価の変動・貿易収支などの要因によって日々変動します。基本的には「持っているだけで利息がたくさんもらえる通貨」や「モノの価値に対して相対的に価値が下がらない通貨」が投資家から買われやすく、買われた方の通貨の価値が上がるという大原則があります。
- 〇(適切):記述の通りです。日本の物価が米国と比較して相対的に上昇するということは、日本のモノの値段が上がり、円の価値が下がる状態を意味します。同じリンゴを買うのに、今まで100円で買えていたものが200円出さないと買えなくなるため、通貨(円)としての実質的な価値は米国ドルに対して目減りします。価値が下がる通貨は投資家から売られやすくなるため、結果として円を売って米ドルを買う動きが強まり、円安・米ドル高の要因になります。
- ✕(不適切):「円高・米ドル安の要因となる」という点が誤りです。正しくは「円安・米ドル高の要因となる」です。
米国が政策金利を引き上げ、日本と米国との金利差が拡大した場合、投資家は「金利がほぼゼロの日本円で持っているよりも、金利が高い米ドルで運用した方がたくさん利息がもらえてお得だ」と考えます。そのため、世界中の投資家が円を売って米ドルを買おうとする動きが加速します。米ドルの人気が高まることで米ドルの価値が上がり、逆に円は売られて価値が下がるため、円安・米ドル高の要因になります。 - 〇(適切):記述の通りです。日本の対米貿易黒字が拡大するということは、日本が米国にたくさんモノを輸出して、代金として米ドルを大量に受け取っている状態です。日本の輸出企業は、受け取った大量の米ドルを従業員の給料や経費等の支払いに充てるために、自国の通貨である円に交換する必要があります。このようなドル売り・円買いの動きが市場で大量に発生するため、円の需要が高まり、円高・米ドル安の要因になります。
- 〇(適切):記述の通りです。購買力平価説は「同じモノの価値は、どの国でも同じになるはずだ(一物一価の法則)」という考え方に基づき為替レートを説明する理論です。米国で3ドル、日本で450円で売られている全く同じ財(商品)がある場合、その価値はイコールになります。つまり「3ドル=450円」という等式が成り立ちます。これを1米ドルあたりに換算すると「1ドル=150円」となり、これが購買力平価説に基づく妥当な為替レートになります。
田口先生
為替相場を難しく感じてしまう場合は、通貨を「アイドル」や「株」に置き換えてみてください。利息がたくさんもらえる、経済が安定している、世界中からお金が集まってくるなど、投資家にとって魅力的で得をする条件が揃った国の通貨は人気投票で上位になり、買われて価値が上がります。逆に、魅力がない通貨は売られて価値が下がります。この需給バランスが為替変動の根本的なメカニズムです。
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