四択問題
分野:リスク
損害保険を活用した事業活動のリスク管理に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- レストランを営む事業者が、提供した料理が原因で食中毒を発生させ、法律上の損害賠償責任を負担する場合に備えて、生産物賠償責任保険(PL保険)を契約した。
- 貸しビル業を営む事業者が、火災により所有するビル内に設置した機械に損害が生じる場合に備えて、機械保険を契約した。
- 建設業を営む事業者が、請け負った建築工事中に誤って工具を落として第三者にケガをさせ、法律上の損害賠償責任を負担する場合に備えて、請負業者賠償責任保険を契約した。
- 製造業を営む事業者が、業務中の事故により従業員やパート従業員がケガをする場合に備えて、労働者災害補償保険(政府労災保険)の上乗せ補償を目的として労働災害総合保険を契約した。
解答
2
解説
本問は、法人が事業活動を行ううえで直面する様々なリスク(損害賠償・従業員のケガ・設備の故障など)に対して、どの損害保険で備えるのが適切かを問う問題です。
賠償責任保険とは、事業活動の中で、他人にケガをさせた・他人のモノを壊した・提供した商品で健康被害が出たといった理由で、法律上の損害賠償責任を負ってしまったさいに生じる莫大な賠償金や弁護士費用をカバーしてくれる法人のための保険です。
- 〇(適切):記述の通りです。生産物賠償責任保険(PL保険)は、製造・販売した商品(生産物)や、レストラン等で提供した飲食物、あるいは完了した仕事の結果が原因で、客などの第三者にケガをさせたりモノを壊したりして損害賠償責任を負った場合に備える保険です。レストランの食中毒のほか、販売したお弁当への異物混入、修理した自転車のブレーキが後日外れて事故が起きた場合などに使われます。
- ✕(不適切):「火災により所有するビル内に設置した機械に損害が生じる場合に備えて」という点が誤りです。正しくは「火災による損害は火災保険で備えるべきであり、機械保険は従業員の操作ミスや電気的ショートなどの機械の内部的・突発的な事故に備えるもの」です。
機械保険は、工場などの機械設備が設計・材質の欠陥や従業員の操作ミス・ショートなどの電気的事故といった、主に「内部的・突発的な要因」で壊れてしまった場合の修理費用を補償する保険です。火災、落雷、爆発といった外部からの災害による損害については、機械保険ではなく通常の火災保険(企業財産包括保険など)でカバーする必要があります。 - 〇(適切):記述の通りです。請負業者賠償責任保険は、建設工事や清掃作業、ビルの窓拭きなどの業務を遂行している最中に起きた偶然の事故によって、第三者にケガをさせたりモノを壊したりした場合の賠償責任を補償する保険です。工事現場の足場から工具を落として通行人に当ててしまったケースや、清掃中に誤ってお客様のパソコンに水をこぼして壊してしまったケースなどがこれに該当します。
- 〇(適切):記述の通りです。労働災害総合保険(法定外労災保険とも呼ばれます)は、業務中の事故で従業員がケガをしたり死亡したりした場合に、国の政府労災保険から支払われる給付金だけでは足りない部分を、企業が独自に上乗せして補償するために加入する保険です。近年は特に、高額化する損害賠償リスクから会社を守るための重要な保険となっています。
田口先生
法人向けの賠償責任保険で最も迷いやすいのが、請負業者賠償責任保険と生産物賠償責任保険(PL保険)の区別です。これは「仕事が終わる前か、後か」という時間軸で考えると分かりやすいです。
例えば、看板の設置工事中に看板を落として通行人にケガをさせた場合は、請負業者賠償責任保険の出番になります。一方、工事が完了して引き渡した後に看板が落ちてケガをさせた場合は生産物賠償責任保険(PL保険)の出番になります。
例えば、看板の設置工事中に看板を落として通行人にケガをさせた場合は、請負業者賠償責任保険の出番になります。一方、工事が完了して引き渡した後に看板が落ちてケガをさせた場合は生産物賠償責任保険(PL保険)の出番になります。
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