四択問題
分野:タックス
法人税の損金に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
- 役員退職給与を損金の額に算入するためには、所定の時期に確定額を支給する旨の定めの内容をあらかじめ税務署長に届け出なければならない。
- 国または地方公共団体に対して支払った寄附金の額(確定申告書に明細を記載した書類を添付している)は、損金の額に算入することができる。
- 期末資本金の額等が1億円以下の一定の中小法人が支出した交際費等のうち、年800万円までの金額は、損金の額に算入することができる。
- 損金の額に算入される租税公課のうち、事業税については、原則としてその事業税にかかる納税申告書を提出した日の属する事業年度の損金の額に算入することができる。
解答
1
解説
1.は不適切。役員給与は原則として損金に算入することができませんが、所定の時期に確定額を支給する旨の定めの内容をあらかじめ税務署長に届け出ることにより、適正額を損金に算入することができます。このような給与を「事前確定届出給与」といいます。
- 損金に算入できる役員給与
- 定期同額給与のうちの適正額(※不相当に高額な部分は除く)
- 事前確定届出給与のうちの適正額(※不相当に高額な部分は除く)
- 利益連動給与のうちの適正額(※不相当に高額な部分は除く)
一方、役員退職給与は不相当に高額な部分の金額など一定のものを除き、全額が損金の額に算入されます。よって、所定の時期に確定額を支給する旨の定めの内容をあらかじめ税務署長に届け出る必要はありません。
2.は適切。国や地方公共団体への寄附金と指定寄附金(赤い羽根の募金など)はその全額が損金の額に算入されます。
それ以外の、特定公益増進法人・認定NPO法人に対する寄附金や一般寄附金については、一定の限度額までが損金の額に算入されます。
3.は適切。期末資本金の額等が1億円以下の法人が支出した交際費等は、「年間800万円以下の全額」か「交際費のうち飲食支出額の50%」のどちらかを損金の額に算入することが認められています。
4.は適切。法人事業税は、損金の額に算入することができます。
- 損金に算入できる租税公課:法人事業税、固定資産税、印紙税、登録免許税、都市計画税など
- 損金に算入できない租税公課:法人税、法人住民税、延滞税、過怠税、罰金、過料など
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