2019年5月試験

FP2級 学科試験 2019年5月 問22(過去問解説)

四択問題

分野:金融

上場投資信託(ETF)の一般的な特徴に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。

  1. 東京証券取引所には、日本株式、外国株式、債券、REIT等の指数や指標に連動するETFが上場されている。
  2. ETFは、売買の際に上場株式と同様に売買委託手数料がかかるが、非上場の投資信託とは異なり、運用管理費用(信託報酬)は徴収されない。
  3. ETFの分配金には、普通分配金と元本払戻金(特別分配金)とがあり、税務上、普通分配金は課税対象となり、元本払戻金(特別分配金)は非課税となる。
  4. TOPIXインバース指数に連動するETFは、TOPIXの前営業日に対する変動率の2倍となるように計算された指数に連動するように運用されている。



解答

1

解説

ETFは「Exchange Traded Funds」の略語で、特定の指数に連動するように設計・運用されている投資信託です。

全てのETFは金融商品取引所に上場しているため、一般の株式と同じように成行注文や指値注文による売買が可能です。

1.は適切。指数の種類は豊富で、TOPIXや日経平均株価だけでなく、金・原油・各種原料(小麦・とうもろこし・大豆)などに連動するものもあります。

2.は不適切。ETFも非上場の投資信託と同様に、運用管理費用(信託報酬)が徴収されます。

  • ETFのコスト
  • 購入時:委託手数料(売買手数料)
  • 保有時:信託報酬
  • 売却時:委託手数料(売買手数料)
  • 投資信託のコスト
  • 購入時:販売手数料
  • 保有時:信託報酬
  • 売却時:信託財産留保額、換金手数料など

3.は不適切。ETFの分配金に対する課税は、一般の株式の配当金に準じて処理されるため、投資信託のような個別元本方式による課税は行われません。

よって、分配金を普通分配金と元本払戻金(特別分配金)に区別することなく、その全額が課税の対象になります。

4.は不適切。レバレッジ型指標に連動するETFは、原指標に連動するETFに一定の倍数(1.5倍や2倍)を乗じた変動率になるように計算された指数に連動するETFです。

一方、インバース型指標に連動するETFは、原指標に連動するETFに一定の負の倍数(▲1.5倍や▲2倍)を乗じた変動率になるように計算された指数に連動するETFです。

例えば、原指標に連動するETFが10%変動した場合、「レバレッジ型(2倍)」は20%(=10%×2倍)変動し、「インバース型(2倍)」は▲20%(=10%×▲2倍)変動します。

本肢の「TOPIXの前営業日に対する変動率の2倍となるように計算された指数」は、TOPIXインバース指数ではなくTOPIXレバレッジ指数の説明です。

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