分野:不動産

四択問題

 不動産の売買契約上の留意点に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. 実測取引では、登記記録の面積を基準とした価額で売買契約を締結した場合であっても、契約から引渡しまでの間に土地の実測を行い登記面積と実測面積が相違したときは、一定の単価で売買代金を増減することができる。
  2. 民法では、買主が売主に解約手付を交付した場合、買主が売買代金の一部を支払った後では、売主は、受領した代金を返還し、かつ、手付金の倍額を償還しても、契約を解除することができない。
  3. 民法では、売買の目的物に隠れた瑕疵があり、買主が売主の瑕疵担保責任に基づく損害賠償の請求をする場合、買主は、その瑕疵がある事実を知った時から2年以内にしなければならない。
  4. 民法では、未成年者(既婚者を除く)が法定代理人の同意を得ずに売買契約を締結した場合、原則として、その法定代理人は当該売買契約を取り消すことができる。



解答

3

解説

 1.は適切。土地の売買代金の算定にあたっては、土地の面積を実際に測定して計算に用いる実測取引(実測売買)と、登記簿に記載されている面積を計算に用いる公簿取引(公簿売買)の2種類があります。

 実測取引(実測売買)では、登記記録の面積を基準とした価額で売買契約を締結した場合であっても、契約から引渡しまでの間に土地の実測を行い登記面積と実測面積が相違したときは、一定の単価で売買代金を増減することができます。

 2.は適切。相手方が履行に着手したあとは、原則として契約を解除することはできません。

 本肢の場合、すでに買主が売買代金の一部を支払っている(=履行に着手している)ため、売主は契約を解除することができません。

 なお、買主が履行に着手する前であれば、売主は、受領した代金を返還し、手付金の倍額を償還することにより、契約の解除をすることができます。

  • 買主の履行着手とは:売買代金を支払った時点(一部でもOK)
  • 売主の履行着手とは:建築作業を始めた時点

 3.は不適切。売買の目的物に隠れた瑕疵があり、買主が瑕疵担保責任に基づく権利を行使して損害賠償の請求をする場合、その瑕疵がある事実を知った時から1年以内にしなければなりません。

 例えば、建物が引き渡されて10年が経過していたとしても、欠陥(瑕疵)を発見した日から1年以内であれば、瑕疵担保責任に基づく権利を行使して損害賠償の請求をすることができます。

 ただ、それでは売主の責任があまりにも重くなってしまうので、特約を結んで瑕疵担保責任の期間を短縮したり免除することもあります。

 4.は適切。民法第5条に「未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない(第1項)。前項の規定に反する法律行為は、取り消すことができる(第2項)。」と定められています。

 なお、結婚している場合(既婚者)は未成年であっても成年しているとみなされるため、法定代理人が当該売買契約を取り消すことはできません。