2016年5月試験

FP2級 学科試験 2016年5月 問29(過去問解説)

四択問題

分野:金融

ポートフォリオのリスクに関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。

  1. ポートフォリオの期待収益率は、ポートフォリオに組み入れた各資産の期待収益率を組入比率で加重平均した値となる。
  2. 異なる2資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1の場合、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの軽減)は得られない。
  3. 個別銘柄の要因で発生するリスクを、非システマティック・リスクという。
  4. システマティック・リスクは、ポートフォリオの組入れ銘柄数を増やしても低減しない。



解答

2

解説

1.は適切。例えば、A資産の期待収益率が1%、B資産の期待収益率が2%の場合、A資産を80%、B資産を20%の割合で組み入れたポートフォリオの期待収益率は1.2%(=1%×0.8+2%×0.2)になります。

2.は不適切。異なる2つの資産からなるポートフォリオにおいて、2資産間の相関係数が-1となる場合、2つの資産の値動きが正反対になるため、ポートフォリオを組成することによる分散投資の効果(リスクの低減)は最大となります。

なお、2資産間の相関係数が+1の場合、2つの資産の値動きが全く同じになるため分散投資の効果(リスクの低減)はありません。

  • 相関係数+1:2つの資産の値動きが全く同じ(=分散投資の効果はゼロ)
  • 相関係数0:2つの資産の値動きに規則性なし
  • 相関係数-1:2つの資産の値動きが正反対(=分散投資の効果は最大)

3.は適切。アンシステマティック・リスク、個別銘柄リスクと呼ぶこともあります。

4.は適切。非システマティック・リスクは組入銘柄を増やすことにより低減できますが、海外の資本市場の動向や政府要人の発言、全国的な気候や災害などに起因するシステマティック・リスクは、組入銘柄を増やしても低減できません。

  • システマティック・リスク→市場全体に起因するリスク→分散投資しても低減不可能
  • 非システマティック・リスク→個々の企業に起因するリスク→分散投資により低減可能

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