四択問題
分野:相続
Aさんは、自己が所有する宅地(以下「土地」という)の上に戸建て住宅(以下「建物」という)を建設し、その建物を第三者のBさんに賃貸している。この場合、AさんまたはBさんに相続が開始したときの相続税の課税価格の計算上、土地または建物にかかる課税財産に関する次の記述のうち、最も適切なものはどれか。
なお、「小規模宅地等についての相続税の課税価格の計算の特例」については考慮しないものとし、建物は借家権の取引慣行のある地域にないものとする。
- Aさんにかかる相続税において、土地は相続税の課税対象となり、その相続税評価額は、貸家建付地として計算する。
- Aさんにかかる相続税において、建物は相続税の課税対象となり、その相続税評価額は、自用家屋として計算する。
- Bさんにかかる相続税において、Bさんは土地について借地権を有し、その借地権が相続税の課税対象となる。
- Bさんにかかる相続税において、Bさんは建物について借家人の有する権利をもち、当該権利が相続税の課税対象となる。
解答
1
解説
1.は適切。なお、貸家建付地の評価額の計算式は以下のとおりです。
評価額=自用地評価額×(1-借地権割合×借家権割合×賃貸割合)
2.は不適切。アパート等の貸家の用に供されている家屋の相続税評価額は、その家屋の固定資産税評価額に借家権割合と賃貸割合を乗じた価額を、その家屋の固定資産税評価額から控除して評価します。
貸家の評価額=家屋の固定資産税評価額×(1-借家権割合×賃貸割合)
3.は不適切。Bさんは建物にかかる借家権を有しているだけであって、土地にかかる借地権は有していません。
4.は不適切。問題文の「建物は借家権の取引慣行のある地域にないものとする」から、権利金等の名称をもって取引される慣行のない地域にあるものと判断できます。
このような場合、借家権の評価は行わないと定められているため、当該借家権は相続税の課税対象になりません。
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