分野:相続・事業継承

四択問題

 非上場会社であるA株式会社(以下「A社」という)のオーナー社長のAさん(45歳)は、契約者(=保険料負担者)がA社、被保険者がAさん、死亡保険金受取人がX社である定期保険に加入することを検討している。

 この定期保険の活用等に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。なお、Aさんの月額給与の額は100万円であるものとする。

  1. 長期平準定期保険や逓増定期保険に加入することにより、Aさんの勇退時の退職慰労金の原資を準備することができる。
  2. Aさんが死亡した場合、X社は、受け取った死亡保険金の金額と同額の死亡退職金をAさんの遺族に支払っても、法人税の取扱い上、その全額を損金に算入できないこともある。
  3. Aさんが業務上の事由により死亡し、X社が受け取った死亡保険金を原資として社内規定による弔慰金をAさんの遺族に支払った場合、その金額が相続税の課税対象とならないのは600万円以内に限られる。
  4. Aさんが死亡し、Aさんの長男(後継者)が相続により取得した財産の大半がX社株式であり、相続税の納税資金が不足する場合、X社は、死亡保険金を活用して長男からX社株式の一部を取得することによって、長男の資金不足を補うことができる。



解答

3

解説

 1.は適切。長期平準定期保険や逓増定期保険は解約返戻率が高い期間が長く続くため、経営者の退職金の原資にすることもできます。

 2.は適切。法人税法上、損金として処理できるのは「役員に支給する退職金で適正な額のもの」に限られます。よって、不相当に高額な死亡退職金を支払った場合、その全額を損金に算入できないことがあります。

 3.は不適切。業務上の事由により死亡した場合の非課税限度額は「死亡時の給与×36か月分」です。

非課税限度額=100万円×36か月=360万円

 なお、業務外の事由により死亡した場合の非課税限度額は「死亡時の給与×6か月分」です。

 4.は適切